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北斗住所送るから来て欲しい
それは突然送られてきたメッセージ。
送られてきたメッセージはあまり見慣れない住所が載っていた。
それとなくあれから数週間経って、まるであの日のことはなかったかのように北斗と変わらない日々を過ごしていた。
ただ…
澤口さんとの交流を続け、ただ耐えしのぐような生活を続けていることを除けば、なんの変わりもない。
俺は仕事終わりにタクシーを走らせ数十分。
すっかり都心から離れ、景色は緑が増えてきた。
俺は少し長引いた仕事を終え向かっていたため、辺りは少し暗くなりはじめていた。
指定された場所の周辺でタクシーから降り、数分ほど歩くと見えてきたのは小さな公園だった。
公園と言えば大袈裟だと思うほど何も無い広場のような場所は、唯一あるベンチさえ錆びてボロボロになっていた。
それを見るだけであまり使われていない場所だということを物語るようだった。
｢あ、来た来た｣
｢いきなりこんなとこでどうしたの。びっくりすんじゃん｣
｢まぁいいからいいから。とにかくこれしよ｣
そう言って目の前に出されたのは季節外れの手持ち花火だった。
｢花火するために火の使える場所で、しかもあんまり人いないとこって言ったら限られてて、こんな場所しかなかったんだよ｣
｢てかなんでそもそも花火？｣
今まで淡々と会話が進んでいたのに、急に北斗は黙り込んで黙々と手元の花火を袋から出しいた。
そして手元の花火を袋から出し終えて、その1つを俺に差し出しながら顔も見ずに北斗は呟いた。
｢本当はずっと前から用意してた。
夏にしようって企んでたんだけど、誘えないまま夏が終わってたんだよ。悪いか｣
俺は差し出された手持ち花火を受け取りながら、少し照れてそんなことを言う北斗の横顔を見て、思わず笑ってしまった。
花火をしようって考えた北斗も
花火を用意しようと1人で買いに行く北斗も
結局誘えないまま季節を逃しちゃう北斗も
全部想像しただけで愛おしかった。
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くれよん(プロフ) - もずくさん» 大変遅くなりました。コメントありがとうございます。更新再開しましたので、またご覧頂けると嬉しいです！ (2023年1月22日 22時) (
レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
もずく - 続き気になります！更新楽しみにしてます (2021年3月13日 10時) (レス) id: d307ed8e57 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - ぺるさん» ありがとうございます！がんばります！ (2021年1月20日 0時) (レス) id: 7a19f15719 (このIDを非表示/違反報告)
ぺる - とても面白いです更新たのしみにしてます！！(><) (2021年1月17日 23時) (レス) id: b9b2df3b6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年11月29日 22時
