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カーテンが日に照らされてきたことでやっと時計に目を向けた。
見るだけで高価だとわかる装飾の時計が、刻むことだけを全うしようとするかのように、重そうな金色の針を動かしているように見えた。
俺はそれを見ながら今日の予定を頭で思い出していた。
でも結局よく思い出せず、考えるのを諦めて隣にいる北斗の胸に自分の顔を埋めた。
するとすぐに北斗の両腕は俺の背中に回った。
頭上から聞こえる北斗の寝息さえも愛おしくなって、俺は更に胸に顔を埋めた。
胸からは鼓動がよく聞こえる。
まるであの高価な時計が懸命に秒針を動かすように、北斗の心臓も動いているのだろうなんて考えてしまって、完全にセンチメンタルな自分の感情に呆れてしまった。
｢起きないとな…｣
あの低い
オフの時にしか聞けない
耳障りのいい声。
でもその声から発せられた言葉には少し耳を塞ぎたくなった。
きっと北斗は俺と違って今日の予定を思い出して、そしてその予定の時刻がきっと迫ってきていることをその言葉が示しているのに間違いはなかった。
｢痛い痛い。強いって｣
仕事だとわかっている。
抗えないことはわかっている。
だからせめてこの感情のやり場を探すように、俺は北斗の背中に腕を回して力の限り抱きしめた。
｢俺だって行きたくないけど行かないと｣
｢わかってる。ごめん…｣
｢そんな謝んなって…ますます行きずらくなる｣
｢ごめん…｣
｢だからー｣
そう言って顎を掴まれたと思えば、すぐに唇が重なった。
唇が触れているだけなのに、この安心感と愛おしさが溢れるのはどうしてなのか不思議でたまらない。
｢北斗これは……
惚れた｣
｢今さら｣
その言葉を残してシャワールームに消えて行った北斗の背中を見ながら
俺はまた気だるさが残る体をベットに沈めた。
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くれよん(プロフ) - もずくさん» 大変遅くなりました。コメントありがとうございます。更新再開しましたので、またご覧頂けると嬉しいです！ (2023年1月22日 22時) (
レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
もずく - 続き気になります！更新楽しみにしてます (2021年3月13日 10時) (レス) id: d307ed8e57 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - ぺるさん» ありがとうございます！がんばります！ (2021年1月20日 0時) (レス) id: 7a19f15719 (このIDを非表示/違反報告)
ぺる - とても面白いです更新たのしみにしてます！！(><) (2021年1月17日 23時) (レス) id: b9b2df3b6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年11月29日 22時
