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目の前に次々出される料理についていくのが必死だった。
ここはビルの何階だっただろう。
そんなことを考えながら、窓から見える都会の景色を見下ろしながらコース料理を堪能していた。
堪能しているのは俺ではなく澤口さんだけというのが正確なのかもしれない。
こんなお洒落な場所は何度か来ているけど、やっぱり落ち着かないし、お皿にほんの1口か2口で食べてしまうような量の食事が出てくるのすら煩わしく感じてしまっていた。
こんな時でも考えていたのは、外装は少し錆びれていて、テーブルは手で触れると少しベタつく、そんなカウンター席しかないような小さな店で北斗と食べる食事の時間だった。
小さい頃からコース料理の出る店には、幸せなことに何度か連れて行ってはもらっているけど、北斗と食べる何気ない食事の時間を知ってしまえば、どんな美味しくて高級な料理も呆気なく感じてしまう。
思った以上に北斗に入れ込みすぎていると自分でも思うぼと、俺の心は本当に北斗に染まっているらしい。
｢京本くん？大丈夫？ここの料理は合わなかった？｣
｢えっあ…いえ。そんなことないです。素敵なお店と料理で気後れしちゃって｣
｢それならよかったよ…
ところでさ京本くんは今恋とかしてるの？｣
｢へ？｣
この業界にいるとこの話題はあまり好まれず、むしろタブーに近い印象があるからか、普段話題に出ることは少ない。
それを予想だにしていなかった人に触れられて、ましてやたった今北斗のことを考えていた時にその話題を振られて、あからさまに動揺してしまった。
｢どうしたんですか急に…澤口さんからそんな質問をされるなんて思ってもなかったです｣
｢いやー京本くんとか絶対モテそうじゃない？それに年頃の子のアレコレってなかなか聞ける機会もないからさー｣
俺の動揺はどうやら伝わってはいないようだったが、俺の鼓動は止まることを知らないかのように速度を早めていた。
｢俺これでもアイドルなんで、そういうことはからっきしって言うか…｣
歯切れのない自分の答えはおかしくはないだろうかと心配しながらも、まるで言い訳をするかのように話を続けた。
｢そもそもそんなのに興味がなくて｣
｢そっかー勿体ないね。綺麗な顔してるしカッコイイじゃない｣
全く話の意図が見えず、内心では早くこの話題を終わらせたくてたまらなかった。
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くれよん(プロフ) - もずくさん» 大変遅くなりました。コメントありがとうございます。更新再開しましたので、またご覧頂けると嬉しいです！ (2023年1月22日 22時) (
レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
もずく - 続き気になります！更新楽しみにしてます (2021年3月13日 10時) (レス) id: d307ed8e57 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - ぺるさん» ありがとうございます！がんばります！ (2021年1月20日 0時) (レス) id: 7a19f15719 (このIDを非表示/違反報告)
ぺる - とても面白いです更新たのしみにしてます！！(><) (2021年1月17日 23時) (レス) id: b9b2df3b6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年11月29日 22時
