#37 ページ37
Taiga_side
昨日の北斗は少し変だった。
しかも2日連続で本屋に来るなんて言ったこともなかった。
だから今日はいつもと違って少し落ち着かなかった。
朝からバイトに出て昼からはバイト練習に参加するというお決まりの1日を過ごしながら、少し早く終わった練習後に樹の家でゴロゴロしながら夕方になるのを待っていた。
｢きょもお前さ、漫画もそうだけどいい加減服も持って帰れよ｣
｢えーだって泊まりに来た時になかったら困るじゃん｣
｢いくらなんでも溜まりすぎだっつーの｣
自分の私物がいつの前にか樹の家に溜まっていくのを見て、この家に最近入り浸りすぎている自分に少し驚いた。
どれもこれも結局の目的はあの本屋だということも含めて…
｢これ畳んどいたからこれだけは持って帰れよ｣
そう言われて渡されたのは綺麗に畳まれたTシャツの山。
｢あ、そーいえば1枚だけタグのプラスチックついたままだったぜ｣
そう言われて胸が分かりやすく音を立てたのがわかった。
反射的に山の中からあの日のTシャツを探した。
そのTシャツはすぐに見つけることができた。
でも
襟元にはすでに
あの時のプラスチックは残っていなかった。
｢切っといたから｣
見つけたと同時にそう樹から言われて
なんとなく俺はその襟元から目が離せなくなった。
別に大切に取っておいた訳では無い。
むしろ今言われるまでこのTシャツの存在など特に気にしてはいなかった。
だから樹の家にあってもわかっていなかった。
でもあの日北斗に切っとけよと言われて
家に帰って服を脱いだ時には
あえてそのプラスチックは取らなかった。
｢きょも？｣
だからと言って別にどうってことはない。
なんとなく取らなかっただけ。
脱いだ時にわざわざハサミで切るのがめんどくさかったから…
｢なんで泣いてんの？｣
｢え？｣
そう言われて自分が泣いていることに気づいた。
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くれよん(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» コメントありがとうございます！毎日更新目標に頑張っていこうと思います！本当にありがとうございます(^^) (2020年5月24日 17時) (
レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子ちゃん - 面白いです！これから関係複雑になっていきそうですね…作者さんのペースでいいので更新頑張ってください！応援しています！ (2020年5月24日 8時) (レス) id: 7a4cdc3ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年5月24日 0時
