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juri_side
｢今度他のメンバーにも聞かせよこれ。なかなかいいと思う｣
｢じゃあきょもが手直ししてくれたら、すぐ他のメンバーにも聞かせるよ｣
｢ちょっとだけいじるね｣
｢もちろん｣
鳴かず飛ばずのインディーズバンド
でも少しだけ有名になった時があった
俺が自分のバンドにきょもを誘って、俺ときょものツインギターでの体制になってから、初めてステージに立った日だった
あの時の興奮とあの空気は今でも忘れられない
俺の荒々しい音色に、落ち着いているようで荒々しい、何故か心地よいユニゾンになるきょもの音
｢でもBメロ？あの部分でもうちょっと違うリズムとか入れれたらいいと思うんだよね。樹が作ったのもいいけど、もう1つ加えたいっていうか…｣
誰よりも音楽が大好きで
馴れ合いなんてなしで
作ってきた1つ1つの曲にこうして真剣に向き合ってくれる
｢なぁきょも｣
｢え？ごめん俺なんか偉そうに言い過ぎたね｣
｢違うよ｣
｢じゃあなに？｣
｢やっぱ
好きだわ｣
俺はとっくにずっと好きだった
｢だから俺はもう誰とも…｣
｢わかってる。言うのはタダだろ？｣
でもこうして
もう何回目かわからない
何度も同じ言葉を伝えて
性懲りも無く何度も同じ言葉を言わせて…
俺はもう何年もこんな片思いを続けている
｢言いたいだけだから｣
｢樹モテるんだからさ、俺なんかにそんな…｣
｢俺はきょもが好きなんだからしょうがねーじゃん｣
｢でも俺はきっとこの先も
その思いには答えられない｣
頭ではどうにかしようとしても
感情はどうにもならない
何度も断られて続ければいつかとは思ってはいるけど
こんなに言っても言われても…
｢うん。わかってるよ…｣
少しの無言のあと
きょもは右耳につけていた俺のイヤフォンを
俺に向かって投げてきた。
俺はそれを上手く拾えず
床に落ちたイヤフォンをそっと拾った。
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くれよん(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» コメントありがとうございます！毎日更新目標に頑張っていこうと思います！本当にありがとうございます(^^) (2020年5月24日 17時) (
レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子ちゃん - 面白いです！これから関係複雑になっていきそうですね…作者さんのペースでいいので更新頑張ってください！応援しています！ (2020年5月24日 8時) (レス) id: 7a4cdc3ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年5月24日 0時
