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あれから数週間経って
俺のカウンセリング室には
松村くんとその横で長い足を伸ばしてつろいでいるジェシーがいた。
｢ねー先生聞いてよー
北斗よく物無くすからさ、鍵とか大事なもんは紐つけるとかしろって言ってんのに聞かなくて、結局この前もまた無くして、俺の家に転がり込んできてんだよ？｣
｢だって子どもじゃないんだからさ…
鍵首からぶら下げてる成人越えの男性がどこにいんだよ。絶対それは無理｣
｢鍵も作んのタダじゃないし、落としたやつをもし悪用されたらどーすんだよ。紐ぶら下げるまではしなくても、言われたくなかったらマジで落し物しないように努力しろって｣
そんなジェシーとこうして目の前で口喧嘩ができるほど
松村くんはよく喋るようになった。
そして前より明るくなった気がする。
また少し前進できたように見えた。
梅雨も明けて
暑さも増してきて
服も薄くなってくる季節。
松村くんも半袖のTシャツを着てくることもあったが、見える手首にはもうあの跡もない。
｢本当に2人は仲良しだね｣
｢ジェシーが一方的に口うるさいだけ｣
｢口うるさくしてんの誰だよほんと｣
未だに松村くんのカウンセリングをしている。
あの後も律儀に松村くんは通ってくれていた。
｢あとさ…北斗はもうカウンセリングはいいんじゃないかと思うんだけど先生どう思う？｣
｢え…｣
ジェシーのこの言葉には驚いた。
それは俺だけではなく松村くんも俺以上に驚いていた。
｢いやいつまでも先生にお世話になるのもあれだし、北斗にもそろそろ前進？っていうの？なんて言ったらいいかわかんねーけど｣
｢もちろんこうやってジェシーと遊びに来てくれるのはいつでもいいし、俺は松村くんに任せるよ？｣
｢え…あぁ。どうしよっかな｣
｢急すぎるよな。北斗が嫌なら全然いいんだ｣
歯切れの悪そうな松村くんの様子を見て、ジェシーは少し悪いことを言ったと思ったのかすぐにそう訂正した。
｢いや…甘えててもしょうがないし｣
｢北斗ほんと無理しなくていいから｣
｢いや大丈夫。遊びに来るのはいいんでしょ？｣
｢もちろん。いつでも連絡してよ｣
そんな突然のきっかけで
松村くんのカウンセリングは終わった。
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あーちゃん(プロフ) - くれよんさん» 読んでくださったんですか！ありがとうございます( ; ; )そんなお褒めの言葉恐れ多いです！お互い頑張りましょうね。ありがとうございます♪ (2020年5月16日 0時) (
レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!活動を始めたばかりで、不安なことも多かったので、コメント頂けて嬉しいです(;_;)勝手ながら作品も拝見させて頂きました。私にはない表現力に圧倒されて、私も頑張ろうと思えました!大変なこともあると思いますが、私も応援しています! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - はじめまして。私も創作活動をしており、先日フォロワーさんに教えていただき、一気に読了しました！末ズの優しさが際立っていて素敵です！黒と青の関係、続きが気になります…更新頑張ってください！応援してます(^^) (2020年5月15日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年5月8日 1時
