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Juri side
｢じゃあ…
なんで会いに来た？
わざわざ東京にまで来て
家の近くまで会いに来てただろ？｣
北斗の顔なんかまともに見れなくて、
2階から見える景色と煙草の煙ばかりに目を向けていた。
でもそう聞く北斗の声から
なんなく表情はわかった。
｢行ってないよ会いになんか｣
｢その今吸ってる煙草落ちてた。
それに吸ってる姿も歩き方も
あれは樹だった。間違いない｣
｢例え俺を見たとしても
でもそれは多分ただの偶然。
家なんか知るはずないし
会いに行ったんだったらちゃんと俺は会って帰るよ。結局は見ただけっしょ？｣
あの日
北斗には会うつもりはなかった。
あれから3年も経つのに
未だ吹っ切れてない自分にも嫌気がさしてきて
友だちになんとなく聞いて回ったら
呆気なく居場所なんかわかっちゃって
結局大学の近くで2人を見つけて
2人の姿を自分から見に行ったくせに
悔しくなって…
だから
ほとんど腹いせのつもりで
ジェシーにだけは会いに行って
姿を見せてやろうと思った。
俺の存在を消させまいと。
でも欲は出るもので
ジェシーが必死に北斗のことを俺から守ろうとする姿見ちゃったら
俺にできないことを
真っ直ぐにするジェシーが羨ましくて
北斗にも姿だけでも見せて帰ってやろうなんて
意地汚い部分が出た。
だからあの日
北斗が現れたのを横目で見て
すぐに帰った。
｢てか北斗お前なんで来ちゃったの？
わざわざ俺のとこ来るなんて馬鹿すぎない？
もう帰れよ｣
俺が会わずに帰った努力は今こうして無駄になってる。
馬鹿みたいにこいつは俺の目の前にいる。
｢帰るよ。
もう二度とここには会いに来ない。
でも1つだけ答えてよ。
女の人には散々言ってた
好きって言葉
なんで俺には言わなかったんだよ｣
そんなのは簡単だ。
言わなかったんじゃなくて
言えなかった。
どんな女にも簡単に言えたのに
北斗にだけはどうしても言えなかった。
言いたいけど
言えないことに気づいた時から
俺は自分の気持ちに苦しくなり始めていた。
｢言わなかったっけ？
そんなの気にしたこともなかった｣
こんな嘘は平気で言えるのに。
｢そっか…｣
｢もういいだろ｣
｢うん…
ありがとう｣
｢え？｣
思いもよらなかった感謝の言葉に
つい出てしまった。
｢嘘ついてくれてありがとう｣
思わず北斗の顔を見た。
北斗は笑ってた。
なんとなくだけどわかった。
今日できっと俺たちは最後だ。
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あーちゃん(プロフ) - くれよんさん» 読んでくださったんですか！ありがとうございます( ; ; )そんなお褒めの言葉恐れ多いです！お互い頑張りましょうね。ありがとうございます♪ (2020年5月16日 0時) (
レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!活動を始めたばかりで、不安なことも多かったので、コメント頂けて嬉しいです(;_;)勝手ながら作品も拝見させて頂きました。私にはない表現力に圧倒されて、私も頑張ろうと思えました!大変なこともあると思いますが、私も応援しています! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - はじめまして。私も創作活動をしており、先日フォロワーさんに教えていただき、一気に読了しました！末ズの優しさが際立っていて素敵です！黒と青の関係、続きが気になります…更新頑張ってください！応援してます(^^) (2020年5月15日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年5月8日 1時
