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｢この家？｣
駅から少し歩いたところに
アパートが見えた。
決して綺麗とは言えない
白壁の少し錆びた階段が目立つアパートだ。
アパートが見えた瞬間
隣で一緒のペースで歩いていたが
松村くんの足取りが急に重くなり
立ち止まってしまった。
｢無理しなくていいからね？辞めてもいいよ？｣
｢いや…行くよ。
いるかどうかもわかんないしね｣
｢そうだね。
どうしよっか。俺はここまでにしたほうがいい？｣
｢玄関までは一緒にいてくれない？
もし出てきて
やばそうだったら
助けて欲しい。
それに先生にもちょっと会ってみて欲しいから｣
確かにどんな人か会ってみたい。
イメージだけで作り出した田中樹という男は
非情な男でしかなくて
あまりいい姿は想像できてなかったから
彼の姿をひと目は見ておきたいと思った。
松村くんは慣れた様子で階段を上がっていったが、でもどこかぎこちなさがあった。
階段を上がってすぐの部屋
ポストは広告で溢れていた。
出かけている可能性も
ここから引っ越している可能性もある。
でもいる可能性だってもちろんある。
松村くんはどっちを願っているのかはわからない。
でもしっかりと彼は自分でインターフォンを押した。
橋で姿を見たと言って駆け込んできた日の松村くんのことを思い出すと、今から目の前にその実物が現れて、話をするということに耐えられるのかなんて、自分からこの状況を設定しといて不安に思っていた。
俺が唾を呑む前に
松村くんの唾を呑む音が聞こえた。
その後ドアノブが動いて
扉が開いたのは
ほんの数秒もなかった。
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あーちゃん(プロフ) - くれよんさん» 読んでくださったんですか！ありがとうございます( ; ; )そんなお褒めの言葉恐れ多いです！お互い頑張りましょうね。ありがとうございます♪ (2020年5月16日 0時) (
レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!活動を始めたばかりで、不安なことも多かったので、コメント頂けて嬉しいです(;_;)勝手ながら作品も拝見させて頂きました。私にはない表現力に圧倒されて、私も頑張ろうと思えました!大変なこともあると思いますが、私も応援しています! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - はじめまして。私も創作活動をしており、先日フォロワーさんに教えていただき、一気に読了しました！末ズの優しさが際立っていて素敵です！黒と青の関係、続きが気になります…更新頑張ってください！応援してます(^^) (2020年5月15日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年5月8日 1時
