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｢とりあえず何も聞かずに会ってみて欲しいんだよ｣
そう言って約束された今日。
自分の仕事場といえる唯一の場所、古びたビルに構えるカウンセリング室。
このビルをあえて選んだのは、病院や小綺麗なところだと、来るのに勇気がいる人も多い。
だからこそ、看板などはあえて置かず、部屋の扉にもカウンセリング室と表示していない。
その事もあってか、講演やセミナーを行いながらで、なかなかここでの仕事はできていないが、通う人は少なくはない。
ここは完全に個人でやっているため、俺の完全独壇場。自由にできる唯一の場所。
そんな部屋で14時に会う約束をしていた。
14時にそろそろなろうかという時、部屋にノックの音が響く。
｢どうぞ｣
そう返事をすると、ゆっくりと扉が開いた。
扉は開いたものの、なかなか顔を出さない。
焦らずに黙ったまま待っていると、全身黒のスエットに、黒髪の彼が姿を現した。
その後ろにはジェシーがいた。
ジェシーは彼の背中に手を当てながら、大丈夫と声をかけていた。
それに促されるように、彼はゆっくり部屋に入って来た。
ジェシーは中に入ったことを確認すると、俺に軽く会釈をして、その場を後にした。
｢こんにちは。僕が森本です。松村北斗くんだよね？よろしく｣
｢…どうも｣
小さな声ではあったが、返事をしてくれたことに安心した。
長めの前髪のせいで、顔はあまりはっきりとは見えないが、ジェシーと同じくらい綺麗な顔立ちをしているのがわかる。
視線は絶対にあげず、常に下を向いたまま。
でも俺の問いかけに関して、言葉は少ないが、返してはくれた。
そして俺は、話を進めていくごとに、ある事の気づいた。
14時の予約枠をわざわざジェシーは取った。
友人の仲として、個別に会うことだっててきたはずなのに、あえてそうしなかった。
律儀にもその枠分のお金を払って、時間を作った。
ジェシーがそうしたのはきっと
彼を
"患者"として
俺に会わせたかったから
そして分かったことは
彼が
ジェシーがあの時言った
"助けたい人"だということ
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あーちゃん(プロフ) - くれよんさん» 読んでくださったんですか！ありがとうございます( ; ; )そんなお褒めの言葉恐れ多いです！お互い頑張りましょうね。ありがとうございます♪ (2020年5月16日 0時) (
レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!活動を始めたばかりで、不安なことも多かったので、コメント頂けて嬉しいです(;_;)勝手ながら作品も拝見させて頂きました。私にはない表現力に圧倒されて、私も頑張ろうと思えました!大変なこともあると思いますが、私も応援しています! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - はじめまして。私も創作活動をしており、先日フォロワーさんに教えていただき、一気に読了しました！末ズの優しさが際立っていて素敵です！黒と青の関係、続きが気になります…更新頑張ってください！応援してます(^^) (2020年5月15日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年5月8日 1時
