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「さっき謝ってくれたけど…」
「え?」
「やっぱりあれ撤回して」
少し体が強ばった北斗に気づいて、急に何を言い出すのかと言われているように感じた。
北斗の不安が見てるだけで充分伝わった。
「今の俺からしたら、ここに2人でいることは想像もつかない。
"あの日"から俺たちはまともに目も見てない。
挙句の果てにはもう不仲だって騒がれ始めるくらいにはあからさまになってる。
何年後になるのか、どうやって俺たちが関係を取り戻すかは今の俺にはわからないけど…
でも…どうであれ今すっごく安心してんだ。
俺また北斗とちゃんと話せてるだって。
また"普通"に一緒に過ごすことができてるんだって。
それどころか…」
言い終える前にあのフローラルな香水の香りに包まれた。ローズだろうか、でも男らしさも感じる香り。筋肉の厚みを感じる両腕に収まって、しっかりとした硬さがある胸に顔が押し潰された。
俺の知ってる北斗も、確かに体も身長も大きい。
でもさらに大人になった北斗は、比べものにならないほど大きくて頼もしい体だった。
「そうだよ。
俺たち今
すげー幸せだから。
だからもう少し待ってて。
もう少しだから」
そう聞こえた声は、大きくて頼もしいこの体の持ち主から出たものとは思えない、柔らかくて澄んだ優しい声だった。
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くれよん(プロフ) - すみさん» すみ様コメントありがとうございます!あの2人のほっこりした話を書きたくて書いたので、そう言って頂けて嬉しいです!最後までお付き合いいただきありがとうございました! (10月31日 22時) (レス) @page37 id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
すみ(プロフ) - kymが帰ってきてからのお話、主さんの文章から何気ない生活の温かみというか、穏やかな愛みたいなものが感じられてほっこりしました (10月31日 20時) (レス) id: e29e5bd14f (このIDを非表示/違反報告)
すみ(プロフ) - 遅ればせながら感想失礼します!kymが帰ってきてhkが一緒に寝てたの、今のkymがいて安心したのかな、思わずくっつきたくなっちゃったのかな、と思い、なんだか微笑ましくてにまにましちゃいました😇8年前の世界で大人kymにタジタジのhkの妄想も捗ります🤭 (10月31日 20時) (レス) id: e29e5bd14f (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - みんさん» みんさん、コメントありがとうございます!嬉しいお言葉頂けて、とても励みになります!!ゆっくり更新していきますので、お付き合い頂けると幸いです!! (8月2日 7時) (レス) id: afe818a83d (このIDを非表示/違反報告)
みん - 原石さんの小説探して読みあさっていますが、今まで読んだどれよりも解像度?高くて好きです!!更新楽しみにしています。 (8月1日 0時) (レス) @page13 id: 0a111684d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれよん | 作成日時:2023年7月16日 21時