thirty seven ページ37
結局狭いシングルベットに、2人で窮屈に寝ていた。
疲れきった北斗は寝息をたて、横を向いて少し体を丸めて寝ている。
俺はベットの背もたれに体をあずけ
上半身だけは起こした状態で
北斗の目にかかる前髪をゆっくり分けたり
乱れきった髪の毛を整えたりして
少しやりすぎたことを反省していた。
自分の肩を見ると、少し赤みを帯びていた。
見た目よりも痛みはなくて、違和感程度だったが、見たことで少し痛みは増した。
｢ん…｣
｢あ、おはよう｣
さっきまでの寝息は途切れ
目を擦りながら目覚めた北斗に
おはようと言うと
それには答えないまま
体勢を少しだけ変えて布団に潜り込んだ。
｢そろそろ起きて｣
｢んーーだるい｣
布団の中なか聞こえる声からして
当分起きそうにもなかった。
起きろと言っている自分でさえも、結局布団からは出れずにいた。
｢北斗…ほんと俺好きだわ｣
そう言った瞬間、布団に潜り込んでいた北斗は、布団から顔を出した。
｢ほんと…全部唐突すぎるのやめてもらえる？｣
｢起きないから起こそうかなって。ほら出てきたでしょ｣
｢なんだよそれ｣
その後少しだけ無言が続いた。
そろそろこの余韻も終わり、仕事に向かわなければならない。
それを考えると、多分ここから出ることがお互い名残惜しいと思ってしまって、動けなかった。
でも突然その無言の時間を終わらせたのは、北斗からだった。
｢明日、代々木で6人の雑誌取材と撮影だったっけ｣
｢あーそうだったね確か｣
｢前にみんなでご飯行ったとこ覚えてる？｣
｢ちょっと外れたとこにあって、迷ったよね？確かあそこお肉美味しかった｣
｢そうそう｣
そう言った後に
また少し間ができて
急に口ごもった北斗のほうを見ると
また布団の中でゴソゴソと動いて
｢また…行こうよ｣
さっきまで普通の大きさで話していたのに、
急にそう小さな声で言った。
｢あ、いいね！みんな空いてるか聞いてみよ｣
すると北斗は口を分かりほど大きく曲げて、また黙り込んだ。
北斗の分かりやすいほど遠回しな誘い方が、あまりにも可愛いくて、つい意地の悪い返し方をすると、またそれ以上に可愛い反応で返すものだから、本当にお手上げだ。
｢冗談だよ。2人で行こう｣
｢ほんと最悪｣
｢ごめんって｣
北斗から言わなければ、俺もきっと誘っていた。
でもちゃんと不器用ながらも
北斗から誘ってくれたことが嬉しくて
布団ごと北斗を抱きしめた。
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くれよん(プロフ) - きょも担さん» コメントありがとうございます！がんばります！ (2020年6月3日 16時) (
レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
きょも担 - おもしろかったです！これからもがんばってください！ (2020年6月2日 18時) (レス) id: 7bd19fe3fc (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2020年4月24日 19時) (レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子ちゃん - 面白いです！これからも更新頑張ってください（≧∇≦） (2020年4月24日 15時) (レス) id: 7a4cdc3ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年4月22日 3時
