thirty three ページ33
俺が北斗の服を脱がすと、それに対抗するかのように北斗も俺の服に手をかけた。
ベットの上や床にだらしなく散らかっている服をみて、自分がどんどん何も身にまとっていないという実感が生まれ、急に恥ずかしくなる。
でも目の前の北斗もそれは同じで、それをお互い誤魔化すようにキスを続けていた。
もうどれくらいキスをしたんだろう。
わからないくらいずっとしている。
そんなキスを1度辞め、俺は北斗に馬乗りになった。
｢え、待って。まさかさ、俺を…｣
｢え？｣
｢いや、え？じゃないでしょ。どう考えても俺でしょ｣
当然体格的に考えても、立場が逆なことはわかってた。
それでも俺も男な訳で、俺だって抱きたい。
｢言いたいことはわかるけどさ、お願い。北斗のあのお得意の腰つきで抱かれてもみたい気持ちもあるけど、でも抱きたいんだ｣
｢お得意の腰つきって…｣
｢俺に抱かせてよ。ね？｣
今は誰よりもクールでカッコ良さを全面に身にまとっているけど
昔の犬歯を覗かせて、目も垂れ下がるくらいふんわりと笑う、無邪気でちょっと力が抜けたような、あの時の可愛い北斗が俺の中にはいる。
少し大人に成長した今は、その面影をたまに見せる程度になった。
でもずっと俺の中では、かっこくて男らしい北斗ではなくて、可愛いくて愛らしさで溢れている北斗のままだ。
そんな北斗を今も昔も守りたくなってしまう。
だから男として今日は抱きたい。
俺が大切にしたい。
｢いいけどさ…いいけどさ！俺女の子みたいに可愛くないからな！体もデカいし！知らねーぞほんと！｣
明らかに戸惑って、たくさん喋り始める北斗が可愛いくて、思わず笑ってしまった。
｢笑い事じゃねーつの｣
｢ごめんごめん。大丈夫。北斗は十分可愛いよ｣
そう言うと、勢いのよかった北斗は黙り込んだ。俺の一言ひとことで変わる北斗の表情や態度に、どこか優越感に浸っていた。
｢そんな恥ずかしいことよく言えるな…｣
｢事実だからね｣
北斗は少し呆れて、どうにでもなれとも言わんばかりに両腕をベットに投げた。
｢今度は絶対抱かせろよ｣
不貞腐れたように北斗はそう言った。
当たり前のように
次を考えている彼のことを
好きになる以外の感情が見当たらなかった。
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くれよん(プロフ) - きょも担さん» コメントありがとうございます！がんばります！ (2020年6月3日 16時) (
レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
きょも担 - おもしろかったです！これからもがんばってください！ (2020年6月2日 18時) (レス) id: 7bd19fe3fc (このIDを非表示/違反報告)
くれよん(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2020年4月24日 19時) (レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子ちゃん - 面白いです！これからも更新頑張ってください（≧∇≦） (2020年4月24日 15時) (レス) id: 7a4cdc3ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年4月22日 3時
