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そこには、きれいなAの字で、
─── 健ちゃん、ハッピーバレンタイン!いつもありがとう!
と、書かれていた。
俺はそのチョコを持って、急いで寝室にいるAのところに向かった。
健「A…入るで?」
そう言って、寝室の扉を静かに開けた。
中に入ると、Aは部屋の隅で小さく体育座りをして、鼻をすすっていた。
健「なぁAごめんな…ほんまごめん!」
そう言うと、Aはゆっくりと顔をあげた。
健「これ…Aが作ってくれはったんよな?」
すると、Aは静かに頷いた。
健「俺、チョコ断るんはできへんけど、俺が1番食いたいチョコはお前のしかないねん。もらって嬉しいのもAのだけや。だからもう泣かんといてや…な?」
そして、優しく抱きしめてあげた。
『健ちゃん…わがままな私のチョコ…貰ってくれますか…?』
もちろん。
健「俺はわがままなお前が1番大好物や」
そう笑ってみせると、Aも笑顔になった。
A… 健ちゃん…
《ハッピーバレンタイン》
▽▼バレンタイン 〜完〜
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作者名:jiroken | 作成日時:2018年6月16日 16時