不良少女はお嫌いですか？ (緑) (ページ26)

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大倉side1 ページ26

僕の好きな人。

それは決して関わる事のない人。
俗に言う、不良。

真面目で、暗くて、友達も片手で足りるくらいの人数しかいない。
そんな僕には、どれだけ追いかけても手の届かない人。

あれは1年生も終わるっていう、まだ肌寒い3月の事。

先生に頼まれクラス全員の数学のノートを職員室に運んでる時やった。

前から歩いてくるのは、紛れもなくこの学校の問題児集団7人。

絶対関わりたくない。
出来るだけ気配を消して歩いた。

………はずやったのに。
こんな時に限ってノートをばら撒いてしまった。

最悪や。

ーーチッ、何やねん。

怖い。

大「す、すいませんでした。」

とりあえず、謝らな！と思って
出来るだけ大きな声で誤った。

殴られる覚悟はしてた。

やけど、そんな僕に返ってきたのは意外な言葉やった。

「ほら、ノート。気いつけや。」

そう言って集めたノート手渡してくれた。

金髪混じりの茶髪に、短いスカート。
バッチリ化粧はしてるけど、ケバいとかやなくて
なんか可愛い。

「あ、ありがとうございます。」

これが、僕の好きな人との初めての会話。