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作戦を勘づかれていることで僕にも焦りを感じる。しかし僕以上に焦っているフラン先輩は、どうやら僕らを止めたいらしい。フラン先輩には申し訳ないが時間が惜しい。どうにかして振り切りたい。
「それに、誰もこんなこと実行しようとしたやつなんかいねえんだ。だからこそアズールたちがどういう対応を取るかわかんないんだ。なあ、ユウお前ら今の状況わかってるか？なんでこれ以上危険な綱を渡ろうとすんだよ」
「ちょ、落ち着いて……」
しかし振り切ろうにもフラン先輩の勢いが強すぎて、話の切れ目を見つけることができない。それにフラン先輩の表情は心配と言うよりも、ほかの感情や事情があるように聞こえて少し怖い。
「なあユウ、俺なら……俺なら
「！！」
『基本的にフランはよっぽどのことがない限り、自分から人と関わろうとはしないッス』
『今回は気をつけた方がいいッスよユウくん。なにか仕掛けてくる気っぽいスから』
昨日のラギー先輩の忠告を思い出す。仕掛けてくるってこういうことか。フラン先輩は今、僕を『依存』の道に誘おうとしているのだ。
そうなると今この状況はまずい。まだ冷静な判断はできているけど、いつユニーク魔法をかけられて上手いこと乗せられるかわからない。
「なあユウ、そんな危険なことしなくていい。だから、」
肩に置かれた手の力が段々と強くなっていく。そんな時、
「ユウ！！」
「っ！ジャック！！」
ジャックが鏡舎の方向から駆け寄ってきてくれた。きっと遅い僕のことを探しに来てくれたのだろう。そしてこの状況を見たジャックは『っ走るぞ！』と言って僕をフラン先輩から引き離してくれた。後ろから『ユウ！！！』と叫ぶ声が聞こえたが、心の中で謝ってそのまま走り去る。
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作者名：白黒-モノクロ- x他1人 | 作成日時：2022年9月2日 22時
