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「……ますよ」
「え？」
「〜っ言いますから、今すぐ返事をください！！」
「え、あっはい」
隣にからかい好きの双子が居ようと、一年が見てようと、恋敵に聞かれようと、今のアズールはお構い無しだ。まさかの転回にフランは間抜けな返事をしてしまう。しかしちょっとは照れくさいのか僅かに顔が赤く染まった。
「……好きです………」
「……うん」
「出会った時からずっと……」
「うん」
「……貴方のユニーク魔法を使って、惚れさせようとしてました」
「そうなのか？」
「酷いことだってわかってます……ごめんなさい……」
「平気だよ。アズールの処置が正しかったおかげで」
「フラン……」
「うん」
「好きです」
思いもよらない愛の告白を間近で見た一年ズは、顔を覆うなりガン見するなりと本人よりも照れくさそうにしている。
そしてそれを、どこか悲しそうな瞳で見つめる者が一人。ラギーは告白の様子をただ静かに見届けている。それをレオナは横目に見ていた。
「〜っほら、言いましたよ！…だから返事をくださ、」
突然アズールはいい匂いに包まれて驚く。フランがアズールを抱きしめたのだ。
「なっ」
「ありがとう、アズール。……でも、ごめん」
「っ！」
感謝と、断りの言葉。覚悟はしていたが、ハッキリと本人から聞いたソレはあまりにもダメージが大きく、アズールの目にはじんわりと涙が張った。どうにか震える声を抑えながら理由を聞く。
「……俺、恋愛とか全然経験なくてさ。そういう感情とかに疎いんだ。だから、どれが恋愛に当たる好きかはわかんない。そんな曖昧な気持ちで、付き合うだなんて俺には無理だ」
『だから、ごめん』と再び謝るフラン。普段なら相手の気持ちを利用して操ったり依存させたりと、かなり冷酷なことをしていた彼だが、こういう大切な場面では誠心誠意向き合う。つまり変なところで忠実というやつだ。
「(そんな彼に惚れた僕も僕ですね)……ふふふっ」
「…？アズール？」
「いえ……ありがとうございますフラン。おかげで気持ちの整理がつきました」
断られたというのにありがとうはおかしいだろうが、アズールにとって、たとえ了承されようが断られようが�犢霰鬚鬚靴伸瓩箸いΔ海箸飽嫐�を持っていた。今のアズールは失恋したはずなのにどこかスッキリとした顔をしている。
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作者名：白黒-モノクロ- x他1人 | 作成日時：2022年9月2日 22時
