【ツイステ】オクタヴィネル寮のキツネ【男主】4 (ページ25)

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第十九話【過呼吸キス】ページ25

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お待たせいたしましたm(_ _)m

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[No side]

「そこのお前の雷の魔法、その隣のヤツの運動能力、全部、全部僕によこせぇ！」

完全に黒いオーラに包まれたオクタヴィネル寮。異変を感じた寮生やラウンジに来ていた客は、次々に鏡を抜けて出ていく。しかしそれは暴走したアズールにとって都合がいい。目に見える者全てから奪えるものを奪っていく。

「アズールくん、みんなからナニを吸ってんスか！？吸われたヤツらが次々倒れていく！」

「アイツのユニーク魔法、契約書を介さないと他人から全ての能力を吸い取っちまうようだな。契約自体が、魔法の効果を制御する役割を果たしてたんだろう」

「えぇ！？怖すぎじゃないスか？」

「ああ。そんな禁術クラスの魔法、反動であっという間にブロットの許容量を超えるぞ」

時々くる攻撃を跳ね返しながら、アズールを訝しげに見る二人。契約書を通さないで誰彼構わず能力を奪うアズール。僅かに見える魔法石はあと少しで濁り切る寸前だ。

「っアズール！！！」

「「「！？」」」

「フラン！？」

突然オクタヴィネル寮の扉から響く声。そこには首元が空いたシャツにスラックスだけというラフな格好をしたフランが。顔色は悪く、歩きかたもフラフラとおぼつかない。

「ラギー？それに、なんであんたまで……っ」

「ちょ、フラン！？」

話している途中でグラりと目の前が回る。平均感覚がなくなったフランはラギーに倒れてしまう。

「……フラン、大丈夫ですよ。僕がその目眩も頭痛も治してあげますからね」

「っ……アズール、なんの話を……」

倒れたフランを見てニヒルに笑うアズール。そのアズールの異常性に気付いたラギーはフランのこと守るかのようにを抱きしめる。

「……やけにフランにユニーク魔法を使わせると思ったら、そういうことだったんスね……。ユニーク魔法の副作用を利用して、吊り橋効果で惚れさせようって魂胆ッスね」

「…ッハ、今回の契約で全てを手に入れようとしてたってわけか。ずいぶんと欲張りだな」

「ラギー、さっきからなんの話……」

色恋沙汰に疎いフランは、ましてや自分がこの恋愛バトルの渦中にいるだなんて思いもしない。そんなフランをラギーはいっそう力を強めて抱きしめる。それは牽制を意味しているのかはたまた別の意味なのか。