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[No side]
一方、モストロ・ラウンジでは予想をはるかに超えた来客とオーダー数に手駒いていた。それも、どれも食べ盛りな獣人たちばかり。さらに勝手に喧嘩まで起こる始末。
オクタヴィネル寮生は、『こんな時にこそいて欲しかった』っと苦悩する。頼みの綱であるフランは体調不良、リーチ兄弟は契約のことで出かけている。いつもは怖いくらいの仕事ぶりなのに今はその頼もしさが必要だ。
誰かが呼んできてくれたアズールも、今まで経験したことのない自体に焦っていた。それはユウとの契約期間最終日なことも重なって、いつもより冷静さを欠いている。アズールの登場により数人の寮生たちが泣きつきにきた。あっちが喧嘩をしているだの、手が回らないだの、もう食材が尽きただのと騒ぎ立て、これがまた混乱を呼び寄せる原因になった。
さすがにこのままじゃ更なる喧嘩や混乱が生じるため、指揮を取りに向かうアズール。その際、獣人の立派な体格ですっかり狭くなった通路を通った時誰かにぶつかった。
「失礼」
「いーえ、お構いなく」
この時、アズールは冷静ではなかった。だから何よりも大事にしている金庫の鍵も、スられていることにすら気付かなかった。
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作者名:白黒-モノクロ- x他1人 | 作成日時:2022年9月2日 22時