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「…〜〜っ」

「「!?」」

「え、フラン!?」


目の前がグワンと歪み、平衡感覚が無くなった。そのせいで立つことすら出来なくなり、フロイドに倒れかかる勢いで寄りかかった。フロイドとジェイドが何か言ってくれてるけど何も聞こえない。ただザワザワと嫌なざわめきだけが頭を支配している。


すると突然、浮遊感に襲われ目をはっと見開く。それと同時に疾走感も感じた。いつもよりも高い目線、そして仰向けの体、姫抱きされていることに気付くのに少し時間がかかった。


「……ぅえ!?ジェ、ジェイド!なんで姫抱きっ」


若干復活した体力で俺を姫抱きしているジェイドに問いかけるが、すぐに目の前が回ってまともに思考が働かなくなる。


「今は文句を言わないでくださいフラン。フロイドに担がれるよりはマシでしょう?医務室まで運びますから」


そう言われてしまえば何も反論できない。確かにフロイドなら俵担ぎをしかねない。今の状態でそれは(身体的に)キツい。……しかし、ジェイドのコレも(精神的に)キツい。まともに働かない頭でも、視線が突き刺さってんのはわかります……。ただの病人なんです、見ないで……。


そんなこんなありながらも、医務室では頭痛薬をべしっと投げつけられ、医務室のベットは嫌だったためオクタヴィネル寮に帰ってきた。その帰りも、ジェイドの姫抱きだった(しかもゆっくり歩きやがったアイツ)。


しっかし頭が痛い。全然薬が効かない。常に痛いわけじゃなくて、波のように襲いかかってくるため結構気持ち悪くもなる。どうにかそれだけは唾を飲み込んで抑えることが可能だけど。


「…………うるせえなぁ……」


遠くから聞こえる、いつもは聞こえない喧騒。まだ開店したばっかりだと言うのに、もう混みあってるんだろうか。別に新作が出たわけでもなければイベントをやっていたりとかも一切なかったはずだったんだが、どうしたんだろう。それに聞こえてくるのは紳士の社交場として相応しくない荒々しい声ばかり。サバナクローが何かしてるのか?


若干嫌な予感を抱きながら、ようやくやってきた眠気に身を任せる。アズール大丈夫かな……。

17−2→←第十七話【病人プリンセス】



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作者名:白黒-モノクロ- x他1人 | 作成日時:2022年9月2日 22時

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