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「話のタネに聞いてやる。どんな条件で契約したんだ？」
からかう気満々で嫌な笑顔を浮かべながら聞いてくるレオナ先輩。アズール先輩の厄介さを知っているからこそ、今回は蚊帳の外をいいことに状況を楽しんでいる。すこし悔しくなりながらレオナ先輩に話す。
「三日後の日没までに………………」
「アトランティカ記念博物館に忍び込んで写真を取ってくる………………」
「………………」
「なんか……ご愁傷さまッス」
「からかってくれた方が嬉しかったです…」
海の中にある博物館への盗み。それが達成出来なければ住む家を失うという大博打に、さすがにレオナ先輩もラギー先輩も同情するほどだったらしい。ここまで来たら僕の心境的に笑ってくれた方が心の余裕がほんのちょっとできたのだが。グリムも『縁起でもないことを言うな』と怒っている。
「そもそもアトランティカ記念博物館って海の中じゃないスか。どうやって行くつもりなんスか？」
「アイツら、水の中で呼吸が出来る魔法薬をくれたんだゾ」
「効き目のほどはわからねぇけどな」
「アズールくんがくれたなら、効き目は間違いないとは思うッスけどね。あの人のプライド的に、せこい魔法薬を掴ませてくるとは思えないし」
「キツネの前じゃなおさらだ。ラギーとの違いを見せつけようと必死になってるからな」
「ちょっと！」
レオナ先輩の言葉に僕とジャックは顔を見合わせる。
「取り合いってなんスか？」
「あのタコも、コイツと同じでキツネに色があるってことだよ」
「人の色恋沙汰をベラベラ喋んないでください！！」
「え！！？じゃあラギー先輩の恋敵じゃないッスか！」
『もうやだ……』と顔を俯かせるラギー先輩。ここにエースやデュースがいたら大変なことになってただろう…。
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作者名：白黒-モノクロ- x他1人 | 作成日時：2022年9月2日 22時
