Today ページ1
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(side RED)
「しーげちゃん」
重「…ん、」
「起きて」
重「ん、起きる起きる、」
「はーやーく」
重「ふは、分かったって、」
枕元で鳴り続けるアラームのスヌーズに痺れを切らしたAが声を掛けてくれて、枕元を探った掌でスヌーズを止める。
俺が起きたのを確認したAはひらりとリビングへ消えて、追うように独り占めしたベッドから起き上がった。
寝起きの暴れた髪を撫で付けながら、洗面台でひとり顔を洗って歯を磨く。
「今日朝ごはんなにするん？」
重「んぁ、んー、なんかいつもと同じような」
「たまにはお味噌汁自分で作ったらいいのに」
重「…そんなん、」
隣に立ったAをちらりと見遣れば、横に並んで鏡を覗き込むから、片側だけ口角を上げる。
お前のじゃないとイヤ、って笑ったら、
ワガママ。って彼女も笑って。
お前の飯食いたいなあ、って思わず口に出してしまえば、うーん、って曖昧な返事が返ってきた。
ダイニングテーブルにランチョンマットを敷いて、昨日炊いたご飯と即席の味噌汁を準備する。
おかずは適当に、昨日の残りで。
向かいにも同じのを準備しようとすれば、私はいいって断られてしまった。
重「ええやん、置くだけ」
「あかん、もったいない」
重「食うた気だけ味わったらええねん」
「ふふ、なにそれ」
重「ほなとりあえず味噌汁だけな」
あ、もう！って怒るAに笑いながら、頑固な俺は味噌汁だけでもと向かいの席に準備した。
2人分の椅子を引いて、腰掛けて。
ここ2週間ほど、俺が毎朝作ってる飯はほぼ変わらず一緒で、帰りが遅いと晩飯まで似たようなものを注文して食べてる事が多い。
正直、お前が作った飯以外は何食うたってそんなに大差なくて。
なあ飯作って、って冗談交じりに言うけど、また返ってくるのは曖昧な返事と、柔らかな微笑みだけ。
「しげちゃん、そろそろ時間ちゃう？」
重「ん、せやな。そろそろや」
「行く準備は？」
重「昨日のうちにやってますうー」
「ふふ、えらいですうー」
今日は、メンバーとの仕事。
メンバーであるコイツは、行かへんけど。
「しげちゃん、行ってらっしゃい」
重「おん、またあとでな」
「うん、気い付けてね」
重「お前もな」
頬を撫でようと伸ばした手は、彼女の体をするりと通り抜ける。
玄関でにこやかに俺を見送る天使は、
俺にしか、見えへん。
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竜胆(プロフ) - ささん» ありがとうございます〜！とっても嬉しいです。完全なる見切り発車なもので過程もオチも何も、という状況ですが、楽しんで頂けるように精進致します。素敵なお言葉をありがとうございました、糧になります。 (7月13日 22時) (
レス) id: 4b185b5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
さ - さあ、進もうよ、姫。毎日とっても楽しませてもらっています！コメントもマシュマロもやったことなかったのですが、全作品読んでます！いつもとってもおもしろいです！わすれないでいてねもとってもよかったので、toBE HAPpy !! も楽しみにしています！ (7月13日 21時) (レス) id: 56608c727e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜胆 | 作成日時：2023年7月13日 18時
