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嘘だろ、祥彰が？だって、あんなに明るくて、猫のためだけに木に登るような人だぞ？そんなの、信じられない･･･。
「今もさ、寝たきりになっちゃうこともしばしばでね。入院とかも、そっちゅうなんだ
たまに、過呼吸になったりして･･･。
でも入院してると、友達とかも出来なくてさ。それで、高校生活が過ごせるか心配だったんだ･･･」
そう、だったんか。それは、心配にもなる。だって、いつ過呼吸になるかわからないんやろ、多分。そんなのに、一人高校生活はさせたくない。
拓司先輩も、駿貴先輩は三年生だから一年以内には卒業してしまう。そしたら、祥彰は･･･。
「だから、さ･･･。川上君に折り入ってお願いがあるんだ」
「俺にお願い･･･ですか？」
俺が伊沢さんの言葉を繰り返し言って、聞き返すと、伊沢さんは大きく深く頷いた。
「俺らじゃあ、祥彰とすぐに離れてしまって何かが起きたら守れない
だから、川上君には祥彰を守って欲しいんだ」
「まも、る･･･」
「勿論『ずっと一緒にいろ』なんて言わない
ただ、仲良くしていて欲しいんだ
それだけで、祥彰の心は軽くなるだろうし、過呼吸が起きてもすぐに川上君を頼ることが出来る
変な頼みかもしれないけど＿＿＿＿」
「･･･わかりました」
俺が言ったことに、伊沢さんは「え？」とハテナを浮かべる。
「･･･良いですよ、祥彰にはお世話になりましたし。仲良くするだけなら、俺にだって出来ますから」
＿＿＿＿決して、拓司先輩に気に入られるために、とかではない。
ただ、純粋に祥彰を＿＿＿＿友達を助けたいと、思ったんだ。俺を一人から救ってくれた、大切な恩人を･･･。
だから･･･、
「＿＿＿＿俺に、任せてください」
こんな重い言葉を載せるのは、少し違うかもしれないが、俺が彼と仲良くすることで少しでも彼の恐怖が和らいでくれれば良い。一つでもその命が救えれば良い。
「え、え？本当に良いの？」
「良いですよ」
「だって、他にも仲良くしたい人だっているんじゃないの？
最悪、俺らが祥彰を守ることだって＿＿＿＿」
「今更、言っておいてなんですか？笑」
その言葉に、拓司先輩は何もいえない、と言うようにウッと言葉を途切らせる。
「･･･わかった、少しばかり迷惑をかけるかもしれないけど･･･、祥彰を頼んでも良いかな」
と頭をぽりぽり掻いて、拓司先輩は言う。
＿＿＿＿俺はその言葉に、大きな声で返事をした。
「＿＿＿＿はい！」
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作者名：くらうでぃー | 作成日時：2021年6月29日 17時
