【第三章】 心配事 ページ9
kwkm side
「全くもう･･･、僕喉乾いたから、自販機行ってくる〜･･･」
一通り拓司先輩と駿貴先輩への説教が終わった後、祥彰はそう言った。
まぁ、二、三分は余裕でずっと怒ってたから、精神的にも身体的にも疲れたのだろう。
「あっ、じゃあ俺も行くわ」
と駿貴先輩も立ち上がり、祥彰へとついて行った。
俺と拓司先輩は買いに行かなかったので、暫くの間二人きりとなる。
憧れの人と二人きりとか･･･、めちゃくちゃ緊張するんやけど？！
きっと、祥彰だったらこういう状況でも、構わず先輩と話せるんやろな･･･。
･･･あ、当然、俺にはそんな能力御座いません。
お互い、話のネタも見つからないまま、時間が経過する。
うぅ･･･、気まずい。ていうかあの二人、遅すぎひんか？
どんだけペットボトル買うのに手こずっとんねん･･･泣
早く戻ってきて欲しい･･･。
俺が何か救いはないか、と頭を回転させていると、急に拓司先輩が言葉を発した。
「＿＿＿＿あの、さ。川上君･･･、」
「は、はい」
ぎこちない返事を思わずしてしまう。でも、彼も彼で何か言いにくい、というような印象だった。
「祥彰は、いつもどんなこと話してるの？」
「･･･え？えーと、最近だとクラスで起こった面白い出来事とか、あとは俺の小説のネタを考えてきてくれたりとか･･･」
「そっ、か･･･」
何処か安心したような様子の拓司先輩。
「･･･やっぱり、祥彰が心配ですか？」
「＿＿＿＿えっ？！ま、まぁ･･･ね」
俺に言われて少しはにかむ拓司先輩。
「やっぱり、大事な弟だしさ･･･。
･･･まぁ、それだけじゃないんだけどね」
「･･･？他に何があるんですか？」
言うべきかどうか、と迷っているような様子の拓司先輩。これは･･･、もう一押しかも。
「･･･俺、祥彰に言われたんです。友達だ、って。だから、俺全部知っておきたい。友達のこと、知りたいです！」
「･･･！」
俺がそう言うと、拓司先輩はひとつ大きなため息をついて、諦めたかのように話し出した。
「＿＿＿＿祥彰はさ、元々体が弱いんだよ」
「･･･えっ、」
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作者名：くらうでぃー | 作成日時：2021年6月29日 17時
