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「着いたよ、クイズの会場」
「＿＿＿ここは･･･。△〇高校、ですよね？」
拓司先輩と共にやってきたのは、さっきの駅から少し離れた場所にある高校。この辺りでは有名な中高一貫だ。
「こんな所でクイズ大会があるんですか？」
思わず訊ねてしまう。
もっとクイズ大会やる専用の場所とか使うんかな〜って思ったんやけど･･･。
「そうだよ。この学校のクイ研が定期的に開催してる大会があるんだ。高校生なら誰でも参加OKで、クイズ歴問わず！
初心者と経験者が混合してるから、川上ぐらいの人もいるし良いと思って！」
「へぇ、俺ぐらいの人も･･･」
それならやりやすいかも。そもそも変に張った会場よりは学校とかの方が緊張しなくて良いのかもしれない。
「中には大人も出てる大会の優勝者とかもいるからさ。そういう人と一緒に戦って技を習得するのも、良いんじゃないか？」
「なるほど、それは是非とも見てみたいです」
大会優勝するぐらいの人だ。きっと相当色々な技を知っているに違いない。
クイズを強くなるには、そのような事も分かっていないときっと駄目なのだろう。
「まぁ、後は大会に参加すれば教えてくれるから取り敢えず行こう」
「そうですね」
会場は結構騒がしかった。
賢くて真面目な人達が集まっているイメージがあるので、結構静かではないかとおもったのだが･･･。
なんだか高校の休み時間みたいでやっぱり少し落ち着くかも、なんて暢気なことを考える。
「じゃあ俺エントリーしてくるから。ちょっとそこで待ってて」
「あ、すみません」
俺がボーッと会場を見ていると、拓司先輩が走って受付へ行ってしまった。そこに一つポツンと取り残された俺。
何もする事が無いと言うべきか、何をすれば良いのかわからないと言うべきか･･･。
特にやる事もなく暫く立ちすくんでいると、受付が済んだのか拓司先輩が此方へ戻ってきていた。
しかし、隣には知らない男の人がいる。え･･･、誰？
「川上〜、受付してきたよ」
「あ、有難う御座います･･･？」
正直男の人が気になりすぎて拓司先輩の言葉が頭に入ってこない。俺がジーッとその人を見つめていると、彼は視線に気づいたのか此方を見て話しかけてきた。
「おぉ〜、君がタクシーニと一緒に出場する子やんな？」
「そ、そうです･･･」
チャラく感じるのは関西人特有のノリのせいか？それとも茶色い髪のせいか？
どっちにしろ俺とは全く縁がなさそうな人だな･･･、と失礼だと知りながらも思う。
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作者名：くらうでぃー | 作成日時：2021年6月29日 17時
