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俺が何から答えればいいのかわからず、アタフタとしていると、福良先輩が助け船を出してくれる。
「こら拓司。川上が困ってるでしょ、離してあげて」
「えー、でも福良さん。ここって二年生がいないから、此処で入れておかないと後々キツイよ？」
「それを本人の目の前で言うんじゃない！」
急に俺を争う(？)話し合いを二人が始めてしまう。
すると、俺の周りに気づけば拓司先輩と福良先輩以外の人達が集まっていた。
「あーあ、あの二人また言い合いが始まっちゃったよ」
駿貴先輩は言う。
「大丈夫ですよ、川上先輩。あの人達いつもああいう感じですから」
「へ、へぇ･･･」
い、いつもあぁなんだ･･･。ちょっと怖いかも･･･。
「まぁ、あの二人は置いておいて、拓司のクイズ体験は賛成だね。川上、やってみない？」
「＿＿＿＿！」
･･･あのドキドキを俺が味わう事が、出来るかもしれない。そう思うと胸が高鳴る。
俺は勿論、
「･･･はい、やってみたいです」
「お、いい返事。それじゃあ誰かと一対一でやってみようか」
えっ、突然経験者と一対一なんて勝てるのか？しかも、拓司先輩とか福良先輩とかだったりしたら･･･。
「じゃあ＿＿＿＿祥彰」
「あ、はい！河村さん、どうかしましたか？」
今まで、ずっと拓司先輩達の会話に巻き込まれていた祥彰が、ようやく抜け出せると安心したのか、ホッとした顔で此方へとやってくる。
「祥彰さ、川上と7○3×で勝負しない？」
「えっ、川上先輩と、ですか･･･？」
まぁ、俺は初心者。祥彰は経験者。
この二人の並びだったら、俺が負ける事は目に見えている。一点でも取れたら、奇跡みたいなものだろう。
そんなRPGで言う、最初に出てくるレベル五ぐらいのスマイムに、全クリした後のレベル九〇越えの勇者が戦う･･･と言ったような感じだろう。
此方からしたら負け試合みたいなものだ。
俺はクイズをやってみたい、と思うからいいけど、祥彰からしたらやっても何も得られないような戦いをしたくないかもしれない。
やはり、一対一なんてものではなく、皆がやっているところに俺が入れば良いのではないか･･･、そう俺が言おうとした瞬間、祥彰はキラキラと目を輝かせ言った。
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作者名：くらうでぃー | 作成日時：2021年6月29日 17時
