桜花は儚く緑に散る【原神】【スメール男子】

【第三十八話】二つの選択肢 ページ40

ティナリ「それで...、Aはいつ帰るか決まってるの？」


私はその問に対して、首を振った。


『もう少し考えてから返事を出すよ』


とは言ったものの...。

正直、いつ帰ろうか全然決まってない。

そもそも。


スカラマシュ「君が帰ったとして、そこには親御さんはいない。...亡くなっているからね」


これは、スカラマシュが言っていた言葉だ。

確かに、里帰りしたところで、私の帰りを待ってくれるお父さんとお母さんはもうこの世にはいない。

稲妻に帰ったとしても、記憶があまりないから実感が湧かないのかもしれない。

何せ500年前とは全く違う景色になっているかもしれない。

そんな可能性を考えて、後ろ髪を引かれる思いになってしまう。


『はぁ......。』


帰ろうか否か。

手紙を出してくれたセノには悪いけど、いざこんな状況に置かれていると...どうしても悩んでしまう。


アルハイゼン「ここは皆の憩いの場だ。まずはそのため息をどうにかしてくれないか？」


そう言いながら、アルハイゼンが相席をしてきた。


『悩みすぎてここがカフェだってこと、危うく忘れるところだったよ』

アルハイゼン「君も悩みを抱えるようになったんだな。それで...故郷に帰るかどうか考えているんだろう」

『なんで私の身近な人はそう情報が速いの？怖いんだけど』

アルハイゼン「何故だろうな」

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