【第三十話】優しすぎる決断 ページ32
翌日。
再びカーヴェのもとへ行こうと、スメールシティを歩いていたら、依頼人と笑顔で話すカーヴェがいるのを見かけた。
『カーヴェ?何してるの?』
カーヴェ「おっと、すまないA。たった今、この方の依頼通りに建設することにしたよ」
『えぇ?!なんで、大丈夫なの?!』
カーヴェ「お金は僕が少しだけ肩代わりすることにしたよ」
カーヴェが肩代わり...?
あまりにもあんまりな決断に言葉を失ってしまう。
ただでさえ借金をしているのだと言うのに、肩代わりするなんて。
納得がいくわけがない。
驚いている私の手を掴んだカーヴェは、人気のない場所へと移動した。
カーヴェ「さっき依頼人のじいさんときちんとはなしたんだ。ついこの間亡くなった奥さんの遺言で、同じ家を2件建てたいらしい。当然資金の問題はあるよ。だけど、そんな事よりも、大事なことがある」
小さな木漏れ日に咲くスメールローズを愛おしそうに眺めながら、カーヴェは呟いた。
カーヴェ「それは依頼人の笑顔なんだ」
数日後工事が着工し、大工が邸宅の骨組みを作っている所を見学しに行った。
脳裏にあの時のカーヴェの表情が忘れられなくて。
そして、あるもうひとつの感情も込み上げてくる。
『......稲妻が...、家が...恋しいな」
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かしわぎ(プロフ) - ドーナツさん» 良かったです!最後まで見てくれてありがとうございます(˶'ᵕ'˶ )︎ (4月7日 21時) (レス) id: 4b6ae11ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 最終話おめでとうございます!中々無い終わり方でめちゃ良かったです! (4月7日 12時) (レス) @page43 id: 7609cb840c (このIDを非表示/違反報告)
かしわぎ(プロフ) - ドーナツさん» はわわ、ありがとうございます〜!モチベ爆上がりです!!! (3月24日 19時) (レス) @page28 id: 4b6ae11ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - すごく面白いです!放浪者好きすぎるので嬉しさ爆発です!!これからも書くの頑張ってください!!応援めちゃしてます!! (3月22日 13時) (レス) id: 7609cb840c (このIDを非表示/違反報告)
かしわぎ(プロフ) - 夜月 サキさん» ありがとうございます.ᐟ.ᐟ放浪者...良いですよね分かります♪ (2月26日 18時) (レス) id: 4b6ae11ae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かしわぎ | 作成日時:2024年2月12日 23時