桜花は儚く緑に散る【原神】【スメール男子】

【第二十九話】無茶な話 ページ31

取り敢えずカーヴェが夜な夜な制作した設計図を見せてもらう。

とても立派な邸宅をスメールシティ付近に建設しようと考えているらしく、門構えから内装の造りまで実に豪華だった。

既に費用が凄い事になっているのだけれど...依頼人は金持ちなのだろう。


カーヴェ「そしてここにも似たような邸宅を建てようと言ってきたんだ」


『とんだ無茶な話だね...』


邸宅を建てようとしている場所のそのまた隣に、同じ邸宅を建てようとしているらしい。

...ただでさえお金が凄い事になっているのに、もう1件大きな家を建てようとなると...、依頼人はどれだけ懐が大きいのだろうか。


『この家を拡大するのは駄目なの？』

カーヴェ「それはもう提案した。ところが同じ家を2件建てる事にこだわっているみたいだったよ」

『変わった趣味だねぇ』

カーヴェ「そこまでならお客さんの頼みなんだから僕も喜んで建設するさ。だけど問題はこれからなんだ」


そう言ってカーヴェはポケットから瓶を2つほど取り出した。


『これは？』

カーヴェ「地盤調査の結果だ。建設予定地は地盤が弱く、水はけも悪い。だからまずは地盤を強化させないといけないのだが...それで更にモラがかかってしまう」

『なるほど...』


2種類の泥が入った瓶を眺めながら、私は考えた。

気持ちよく依頼人が満足できる家を建てるには、どうすればいいのだろう？

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