個性不幸って私に恨みでもあるのか【ヒロアカ】 (ページ8)

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アンラッキーが8個ページ8

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朝から寝坊して遅刻したものの、何とか1限目には間に合った。朝マスコミが沢山いた事等を人使と話しつつ、今は昼食を摂るため食堂まで来ていた。
本日私が頂くのはディアボラ風チキンソテーです。なんて言いながら昼食を取りに行く。隣の人使は既にうどんを持っていた。明太釜たまうどんとはなかなか良いセンスしてるな貴様。

「なんでチキン」

『朝すっごい鳥肌立ってチキン食べてぇなって』

「俺には500年かかっても理解できないような理由だったわ」

遠回しに頭おかしいと言われたので肘でどつきながら席に座り手を合わせる。今日も全世界の食べ物たちと尊い命に感謝を。いただきます。

「毎回そんなこと思って食ってないだろ」

『お前いつの間に人の心読む個性に進化したの』

「俺の個性は今も昔も洗脳のままだわ」

もぐもぐとチキンを頬張りながら今日ゲーセンいってプリクラ撮ろうだの量産型サンリオ系メンヘラ女子になるという決意だの担任のパンツは何色かだのくだらない会話をしていた時。

「警報！？」

学校全体に警報が響き渡る。その後、《セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難して下さい》というアナウンスが流れる。
生徒達は我先にと食堂の出口まで走る。そのせいで人混みに流されてしまい人使とはぐれてしまった。
人の荒波に押され揉まれ流されている時に、ふと視線が外へ向く。外にいたのは大量のマスコミ、そして朝に出会ったあの男性と、再び目が合った。

『…っ、』

男性は、私と目が合うとニヤリと笑う。それがなぜだかものすごく怖くて、思わず体を強ばらせた。

どうすることも出来ずずっと人並みに揉まれたまま、あちこちに体をぶつけたり足を踏まれたりしまいには人の下敷きになったりでもう私の体は満身創痍。その上机の上のスープが降ってきたり滑って転んでドミノ倒しになるなど私の個性は今日も元気に通常運転。本当に要らない。

何とか抜け出そうともがいていると、後ろから来た人に思いっきり押されて尻もちを着く。押したやつは私の事なんて気にせずすたこらさっさと行ってしまった。
もう埒が明かない。こうなったらパニックになっている全員、ここですっころばしてやる。覚悟しろ。
一通り周りの人を見渡してから、息を大きく吸った。

『全員スケートみたいに滑って転んでしまえ！！』

そう言うと一斉に滑って転び出す生徒達。それを見ながら立ち上がって滑りながらも食堂を抜けた。