個性不幸って私に恨みでもあるのか【ヒロアカ】 (ページ1)

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アンラッキーが1個ページ1

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私は昔から、人より不幸な目に合うことが多かった。
犬も歩けば棒に当たるという言葉があるように、私が歩けばタライに当たる。いや別にリアクション芸人を目指している訳では無い。ただ本当に街中を歩いているだけでタライが降ってくるのだ。

タライだけでは無い。道を歩けば誰が捨てたのかバナナでコケるし、1日1回は流れ玉が飛んでくる。余所見をしていればドブに落ちるし雨が降れば傘を忘れ車に跳ねた水溜まりの水がぶっかかる。
そんな不幸体質の私。不幸の種類はこれだけでは無い。

「手を上げろ！！そうだ、そのまま大人しくするんだ」

基本的に屋内、例えば銀行や飲食店、今はスーパーにいるが、私の行く先々で何故か事件が起こる。今回のように強盗だったり、立て篭り、事件の種類は様々だ。正直事件勃発の頻度が多すぎて最近は自分が死神くんなのかと錯覚してきたほどだ。ここは第2の米花町と言ってもいいだろう。

「おい、金を出せ！早くしろ！！」

ここで私の個性の話をしようと思う。

個性、アンラッキー。
その名の通り、人に対して不幸をもたらすことが出来る能力。発動条件は私がその人に起きて欲しい不幸を口に出すこと。しかし、半分の確率でランダムな不幸が起きるので信用はできない。
この個性は相手だけにではなく、私にも適用される。それが最初に言った通りの不幸体質だ。

「早くしろって言ってるだろ！！こ、こいつがどうなってもいいのか！？」

まぁつまりは。今私の首元にナイフを突きつけて震えているこの強盗犯に向けてアンラッキーを起こすことも出来るわけで。というか、お前強盗にスーパーはねぇわ。絶対強盗初心者だろ。何？チュートリアルでもやってんの？？あとそんなに震えないで私の首が切れる。

「く、くそ、っ！おい！早くしろ！！」

嗚呼そうだ。ここで私の個性の使い方でもお見せしよう。
使い方は簡単。相手に向けて起きて欲しい不幸を口に出すだけ。

「こいつ殺すぞ！！！！うわぁぁああぁぁ！！」

『すっ転んで棚の下敷きになってしまえ』

「え、？」

私が呟いた瞬間、強盗犯が足を滑らせ私の首から手が離れる。転ぶまいと掴んだ棚が自分の方にひっくり返ってきて、強盗犯は商品棚の下敷きになった。
“偶然にも”スーパーの床がツルツルに磨かれていたらしい。私もさっき3回ほど転んだのはそのせいか。

その後スーパーへと駆けつけてきた警察とプロヒーロー達にその場を任せ、事情聴取の前に逃げ出した。