再開ト現実 ページ6
月明かりが指す。綺麗に月が空に浮いていた。まるでそれは魔法のように、不安定ではあるもののしっかり己の役割を果たすように辺りを照らしている。確か、Aと累が始めて出会った時も、こんな月だった。
「…ひさしぶりだね、累」
もう一人の鬼はそそくさと何処かへ消えていった。その事については大して気にしていないAは、累と顔を合わせずにそう言った。少しだけ、気まずかったのもあるのかもしれない。それと同時にもし累が自分のことを覚えていなければ…という不安もあったのだ。
「……ねぇ、今まで何してたの。」
けれど、Aの不安とは裏腹に累は静かに怒っていた。累の憤りがピリッと肌に感じる。その様子からA自身も罪悪感を感じずには居られなかった。
「…ごめん。」
「違う。僕は謝ってほしいんじゃない。いいから質問に答えて、」
眉を下げて本当に申し訳なさそうに謝るAに、累はだんだんと腹が立ってくる。謝るくらいならずっと此処にいれば良かったのに。腹の一番深いところにどろどろした何かが流れ込んで蓄積していく。
「私は、鬼殺隊に入った。」
「…………。」
知っていた。知っていたとも。けれどその事実を受け入れるための心の余裕は、今の彼には残っていなかった。人に対しても、そして鬼に対しても平等な彼女はもう何処にも居ないのだから。
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羅刹(プロフ) - rosea さん» 凄く凄く嬉しいです有難う御座います!!!( ; ; )頑張って更新していきたいと思います!素敵なご感想を心から有難う…! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 8e721ab01a (このIDを非表示/違反報告)
羅刹(プロフ) - rosea さん» うあ〜〜!!やってしまってましたッ!ご指摘ありがとうございます(*´`*)!!! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 8e721ab01a (このIDを非表示/違反報告)
rosea - とても面白いお話だと思います!頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年9月2日 22時) (レス) id: de9e002270 (このIDを非表示/違反報告)
rosea - 鬼滅隊ではなく鬼殺隊なのでは? (2019年9月2日 22時) (レス) id: de9e002270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羅刹 | 作成日時:2019年9月2日 14時