母ト少女 ページ4
────迷った。完全に、迷ってしまった。
先程までは勢い良く意気込んでいたはずだったのだが迷ってしまった。だがAが迷うのも無理は無いだろう。何故なら、何もかもが変わっている。少し見ない間に辺りは多くの蜘蛛の巣が蔓延っていて、なんとも不気味だ。思ったより戻ってくるのが遅くなってしまったのが原因なのかもしれない。と、歩く足を少し早くする。
けれども、肝心な累は見つからず近くにあった一人座れるくらいの小さな岩に腰掛ける。
「…累、何処にいるんだろう」
「!鬼殺隊の女、」
「え、そうだけ…ッ」
Aが言葉を言い終わる前に目の前の“鬼”は大きな繭を手から出しAの腕や足を縛ろうとしていた。事実、彼女は鬼の気配には気づいていた。けれどAの甘さから自分に害を出さないと判断し、攻撃しなかった。もし此処に彼女と仲の良い胡蝶しのぶが居たのならば彼女のことを目一杯叱るだろう。
「っと、鬼さんは私に何のようかな。」
「……、何で逃げないの?」
鬼は疑問だった。累に殺すなと言われている為に百本程度の少ない糸で縛っている為、すぐに逃げ出せるはずなのだ。然も相手は鬼殺隊士、位はわからないが累が認める程なのだろうからきっと強いのだろう。そう、思っていた。
「なんでって、捕まっちゃったからかな。」
「………いいえ、
「うーん確かにそうかもしれないね、」
でも。君に捕まった時点でこれは私の負けだ。へらへらとした笑顔を浮かべながら答えるAに、鬼は思わず顔を顰めた。こういうタイプの人間は何を考えているか予想がしにくいから苦手だ。まあ、相手が抵抗しないなら此方としても好都合だし、もうじきに累に届けるだけだ。関係ない。
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羅刹(プロフ) - rosea さん» 凄く凄く嬉しいです有難う御座います!!!( ; ; )頑張って更新していきたいと思います!素敵なご感想を心から有難う…! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 8e721ab01a (このIDを非表示/違反報告)
羅刹(プロフ) - rosea さん» うあ〜〜!!やってしまってましたッ!ご指摘ありがとうございます(*´`*)!!! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 8e721ab01a (このIDを非表示/違反報告)
rosea - とても面白いお話だと思います!頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年9月2日 22時) (レス) id: de9e002270 (このIDを非表示/違反報告)
rosea - 鬼滅隊ではなく鬼殺隊なのでは? (2019年9月2日 22時) (レス) id: de9e002270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羅刹 | 作成日時:2019年9月2日 14時