tokyo2pm36floor：3rd

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「あー、やっぱり真っ暗だ、、」




外から見た部屋は、明かりが点いてなくて暗かった。




もしかしたら居るんじゃないかなんて
ほんの少しは期待してたんだけどなー。


まあ、空いた時間に来ただけだし、
特に約束してたわけでもないし、
そんな時はこんなもんだよね。




そんな風に思いながら、
以前に預かった合鍵で玄関ドアを開ける。




・・ん？




なんか、、嵌まりが悪い？
というか、鍵穴に、、途中までしか入ってない？




鍵を挿しきることが出来なくて、
不思議に思った条件反射で
ドアノブをガチャガチャと回してしまった。


そうしてみたところで、鍵を開けていないのだから
ドアが開くわけもないんだけど。




え、なんで！？




開かないことに驚いてドアを見上げて、
フラフラと2、3歩 後退りしてドアから離れると
張り紙らしきものが目に入った。




「洋平くん、どういうこと？！」

『ごめん！連絡しそびれてた！』




慌てて電話をしてみると、その日は珍しくすぐに繋がって
洋平くんはしきりに謝っていた。




私が洋平くん達の家で目にしたのは、
不動産屋の入居者募集の張り紙だった。


洋平くんたちが住んでいた一軒家は
私の知らないうちに空き家になっていて、
連絡してみたら4人暮らしは解消したと言う。




不動産屋が鍵を変えたから合鍵が使えなくなっていて、
ドアを開くことが出来なかったというわけだった。




「ちょっともう、、そういう大事なことは早めに連絡してよ」

『連絡しようとは思ってたんだけどさ、なかなか時間が取れなくて』

「時間が取れなくてって・・・」




そんな風に言われたら、
連絡ひとつでいいのに？って思ってしまう。


メッセージをひとことで済むのに、
その数十秒でさえ割く時間がないの？って思ってしまう。




そもそも鍵が変えてあって住居内には入れなかったから良かったものの、
もし入ってたら住居不法侵入とかになってたんじゃないの？！





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