tokyo2pm36floor：3rd

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*yoohei side





「洋平、泣かすなよー」

「え？！俺じゃないよ。あれ？俺のせいなの？！」

「皆んな聞いて！洋平が良いこと言うんだよー」




その姿を見て他のスタッフと一緒になって笑っていると
ブブッとケータイが震えて、
チラッと盗み見ればAさんからメッセージが入っていた。




おめでとう！のひとことメッセージ。


絵文字とかも付いてるけど、
なんだか素っ気ないような気もする・・・。




あ、そっか。
さっきすぐ電話を切っちゃったから
お祝いを直接言って貰えてなかったんだっけ。


だからなんか変な感じがしたのかな？


さっきは俺も相当浮かれて電話しちゃったし、
その時のお互いのテンションのギャップみたいなのもあんのかな？




まあ、でも今は、予想以上に売り上げと順位が良かったおかげでこうして現場は盛り上がってるし、
それに水を差すような態度は良くないよな。




Aさんには、
この会が終わったらもう一回電話してみよう。
・・・って、もう12時回ってんじゃん！


終わるまではもう少し時間掛かりそうだし、
そんな夜中に起こしたら明日の仕事に影響しちゃうかな？


・・・それじゃあ明日の朝にでも、
なるべく早くに電話してみよう。




ほんの少しだけ心に引っ掛かった違和感を
まあ、気のせいかな。と、
「お祝いなんだから苦手でも一杯くらい呑めよ」と
手渡されたビールと一緒に飲み込んだ。




Aさんの性格を考えれば
シてる時以外は素直じゃないって分かっていたのに、
その場の雰囲気と今までの忙しさにかまけて、
Aさんならきっと大丈夫だと甘えが出たのかもしれない。




その日、アルコールは苦手ながらもお祝い気分から呑みたい気持ちになった俺は見事に酔い潰れ、
朝早くにしようと思っていた電話を掛けることが出来なかった。





*

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