tokyo2pm36floor：3rd

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*yoohei side





「実は曲名ももう決めてんだけど、
・・・なんてタイトルだと思う？」

「えー、そんなの分かんないよ。笑」

「Aさんならピンと来ると思うんだけどなー」

「だって歌詞ないんでしょ？曲だけじゃ無理だよー」

「最近全然会えないからさ、
楽しかった時間を思い出して作ったんだよね」

「それがヒント？
楽しかった時間ってめちゃくちゃざっくりしてない？
多すぎて逆に難しいよ」

「マジで？でもそれだけ楽しい時間があるって思ってくれてんなら、俺、ちょっとホッとした」




俺はこういう職業のせいであんまり時間が取れないし、
俺の方が年下ってこともあって、
俺と付き合ってAさんを退屈させてないかなーとか
ちょっと心配に思ってたから。




出会ったばかりの頃の
淡い恋心を言葉にしたら安っぽくなりそうな気がして


それにあの気持ちは、
俺の中にだけ仕舞っておきたいって思ったから
曲だけにしたけど




あの時、あの場所のあの時間は
バイト中に唯一ほっと出来る安らぎでもあり、


クレームなんかで凹んだ気分を持ち上げるための
楽しみでもあった。




あの時の想いは、今も続くこの想いは、
曲の中にめいっぱい詰め込んだから。




「で、なんてタイトルなの？」

「んー・・、ヒミツ！」

「ちょっ、え？じゃあなんで聞いたの？笑」

「いや、もしかしたら分かるかなって思って。
でも、分かんないなら発売された時の楽しみにしておいて♪」

「えー、そう言われるとすごい気になっちゃうんだけど！」




Aさんはめちゃくちゃ教えて欲しそうな雰囲気を醸し出してたけど、
タイトルが分かったらきっと喜んでくれると思うから
やっぱり発売された時のお楽しみにしておいて欲しいなって思った。





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