tokyo2pm36floor：3rd

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*yoohei side





「ごめんね、Aさん。せっかく来てくれたんだけど、
俺、曲の確認しなくちゃいけなくて」




そう。
仕事が押しているのだ。




「あ、そうなの？忙しかったのにごめんね？」

「全っ然！来てくれて嬉しい。
あ、曲、ちょっと聴いてみる？」

「いいの？」

「もちろん」

「じゃあ聴きたい」




Aさんは嬉しそうに笑いながらそう言ってくれた。


今までもかっこいい曲が出来た時は
いつもAさんに聴いてもらってて、
だからこの曲も聴いてもらうことが出来て良かった。




「実は締め切り過ぎちゃってるんだけど、
もう1曲入れたくて待ってもらってるんだよね」

「え、そんな大詰めだったんだ」

「でも、この曲はAさんに聴いてほしい曲だったから、
リスナーの耳に届く第1号がAさんで良かった！」




もう少し細かくミックスするつもりだから、
CDに収録される時はちょっと変わってるかもしれないけどって話をしながら
あと少しで完成する曲を流した。




「なんか垢抜けた、、というか
都会っぽい雰囲気の曲だね」

「そんな感じした？それなら嬉しい」




だとしたら、当たらずとも遠からず。




この曲には都市名の入ったタイトルを決めていて、
Aさんの勤め先のイメージとも合ってると思うんだよね。




「どんな歌詞にするの？」

「んー、それ考えたんだけどさ、
この曲はインストにしようかなって思って」

「あ、締め切り過ぎてるからでしょ？笑」

「違うよ！笑
最初からインストにしようと思ってた」

「ああ、でもアルバムの1曲目とかって
歌詞のない曲が多いもんね」

「まあそれもそうなんだけど、
これは最初にはなんないかな」

「え、じゃあ途中？」

「うん、真ん中辺にしようかなーって思ってる」

「そうなんだ、それも珍しいね」





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