検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:6,986 hit

+ ページ11

*





いつの間にか4人暮らしを解消していたというゴタゴタがあって
その後、洋平くんから今住んでいる新しい住所と
この日なら会えるかも!という連絡をもらった。




洋平くんの仕事が終わった後だから、
時間的には夜になってしまうけど


それでも久しぶりに会えると思うと嬉しくて、
ウキウキとした気分で心を弾ませながら
まだ見たことがない洋平くんの新居へと向かった。




「えーと、、此処、だよね・・・?」




住所と洋平くんが送ってくれた道案内の説明を頼りに
辿り着いた場所には
なんだかお洒落な外観の建物が建っていた。




これっていわゆるデザイナーズマンションってやつじゃないの?
家賃とか ちょっとお高そうだけど、
でもこういう場所に住めるようになったんだ。


普段から自分の見た目とかにも気を配っている
洋平くんらしい選択だな、と思った。




お洒落な外観に少しだけ怖気づきながら、
そろりと歩いてエントランスホールを抜けていく。


教えてもらった部屋番号と
玄関ドアの横にある部屋番号をしっかりと見比べて。




はー。初めて来たせいか、なんとなく緊張してる。
部屋間違いだけはしないようにしないと。笑




そう思ってもう一度、
よし、間違ってないよね。と確認してから
インターフォンを鳴らした。




だけど、あの明るくて屈託のない笑顔で
洋平くんが出迎えてくれることはなかった。




「いないんだ・・、仕事終わってないのかなあ・・・」




近くのお店とかで待ってようかな。
この辺あんまり来たことないんだけど、
カフェとか時間潰せるような場所あるのかな?




引き返そうかどうしようか迷っていると、
ヴーッとメッセージの届いた音がした。


読んでみると、今日は雑誌の撮影をしていて、
どうやらそれが長引きそうな気配がしているらしい。




『待っててもいい?』

『でも合鍵ないし、入れないでしょ?』

『カフェかどっか探すから大丈夫』

『でもいつ終わるか分かんないし、
女の人ひとりじゃちょっと心配だよ』

『お店の中なら大丈夫だよ』

『ごめん、呼ばれた。やっぱり今日は帰ってて』




『分かった』




短いメッセージのやり取りだったからかな?
突き放されたような感覚がして、寂しさに襲われた。




“どれだけ遅くなってもいいから会いたい”




そう思っていたけど、
その言葉はただの我が儘な気がして
口にすることが出来なかった。





*

+→←+



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
40人がお気に入り
設定タグ:Alexandros , 川上洋平
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

叢雲(プロフ) - あゆさん» 無事、完結することが出来ました。結末はお別れとなってしまいましたが楽しく書かせていただきました。特に年下感を出すのがすごく楽しかったです。こちらこそありがとうございました。 (2022年4月5日 0時) (レス) id: 9dcfbc0761 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。切ないです。笑。でも、若い時の恋愛、後で思い出して甘酸っぱかったり、苦かったり。あるなあ〜、と思いました。そしてまた切なく…笑。今作も、いつも楽しみに読ませてもらいました。ありがとうございました! (2022年4月3日 23時) (レス) id: b6bdc3d8d4 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - 吉野さん» 読んでいただいてありがとうございました。今回はいつもと違ってハッピーエンドにはなりませんでしたが、自分的には楽しく書かせていただくことが出来ました(^-^) (2022年4月2日 23時) (レス) id: 9dcfbc0761 (このIDを非表示/違反報告)
吉野 - 叢雲さん» 完結おめでとうございます<(_ _)>会えない日々が続いて自然消滅‥。なんか悲しいですね(ノД`)ヾ(・ω・`)お話切なくて、素敵でした。またお話を書かれる時を楽しみに待たせてもらいますね( ´艸`) 身体に気をつけて毎日を楽しくお過ごし下さいませ(#^_^#) (2022年4月1日 22時) (レス) @page17 id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - あゆさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます。すれ違いが続いて深みにハマってしまいそうな感じですね(^_^;) (2022年3月24日 23時) (レス) id: 9dcfbc0761 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:叢雲 | 作成日時:2022年2月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。