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1:30 p.m. ページ2

*yoohei side





「Aさん、久しぶりー!」




一度振り返って、
自分の背後に誰もいないことを確認してから
玄関先でAさんをぎゅっと抱き締めた。




会える時間が少し減るかもとAさんに話をしてから、
時間は少しどころか大幅に減っていた。




「とりあえず上がって?俺の部屋、行こう」

「皆んなはいないの?」

「いるけど放っといていいよ」

「え、知らないわけじゃないんだから挨拶くらいした方が、」

「いいから、いいから」




俺以上に久しぶりの対面となるメンバーに
挨拶したいと思っていたらしい彼女の手を引いて
自室に連れて行く。




4人暮らし。
それはバンド活動をするには最適だ。


閃いた曲をすぐに聴かせられる。
音出しも思い立った時にすぐに合わせられる。




だけど、彼女と過ごすには最悪だ。


まあ、その、、あれだ。
他のメンバーに聞こえちゃうんじゃないか?と思うと、
あれやこれやのシたいことが出来ない。




でもAさん家だと曲作りが出来ないし、
あっちを立てればこっちが立たずで
色々と積んでしまっているのである。




「Aさん、抱き締めていい?
ついでにキスもしたい」

「え?そんな許可がいるような関係だった?笑」

「いや、だってあいつらがいると思うと・・・、
なんか落ち着かない。笑」




確かにね、と俺の言葉に笑ったAさんが、
それでも「いいよ」と言ってくれた。




「はー・・、充電」




柔らかい口唇に触れて、ぎゅっと抱き締めれば
久々にAさんの温もりを感じる。




本当ならこの温もりをもっとじっくり堪能したい。


抱き締めて、キスして、
出来ればそれ以上だってしたい。


だけど別の部屋にはバンドメンバーがいる。




て言うか、バイトを辞められるようになったことが
今更ながら憎らしい。
バイトを続けていれば、もしかしたら他の奴らは
出掛けてたかも知れないのに。


そうだよ。誰もいなければAさんと
あんなことやこんなことが出来たかも知れないのに!




だけど続きが出来ない理由はそれ以外にもあった。





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叢雲(プロフ) - あゆさん» 無事、完結することが出来ました。結末はお別れとなってしまいましたが楽しく書かせていただきました。特に年下感を出すのがすごく楽しかったです。こちらこそありがとうございました。 (2022年4月5日 0時) (レス) id: 9dcfbc0761 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。切ないです。笑。でも、若い時の恋愛、後で思い出して甘酸っぱかったり、苦かったり。あるなあ〜、と思いました。そしてまた切なく…笑。今作も、いつも楽しみに読ませてもらいました。ありがとうございました! (2022年4月3日 23時) (レス) id: b6bdc3d8d4 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - 吉野さん» 読んでいただいてありがとうございました。今回はいつもと違ってハッピーエンドにはなりませんでしたが、自分的には楽しく書かせていただくことが出来ました(^-^) (2022年4月2日 23時) (レス) id: 9dcfbc0761 (このIDを非表示/違反報告)
吉野 - 叢雲さん» 完結おめでとうございます<(_ _)>会えない日々が続いて自然消滅‥。なんか悲しいですね(ノД`)ヾ(・ω・`)お話切なくて、素敵でした。またお話を書かれる時を楽しみに待たせてもらいますね( ´艸`) 身体に気をつけて毎日を楽しくお過ごし下さいませ(#^_^#) (2022年4月1日 22時) (レス) @page17 id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - あゆさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます。すれ違いが続いて深みにハマってしまいそうな感じですね(^_^;) (2022年3月24日 23時) (レス) id: 9dcfbc0761 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:叢雲 | 作成日時:2022年2月24日 0時

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