tokyo2pm36floor：2nd

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「ははっ、すげー！」

「・・・え？・・・気に入って、、くれた？」

「うん、めちゃくちゃ！
なんでこれ選んでくれたの？」

「あ、そこ・・・、
洋平くんちのバンド名が入ってるなって思って、」

「あ、やっぱりそうなんだ？
て言うか、この曲がバンド名のきっかけだからさ。
俺、昔からこのバンドがすごい好きで」

「え、・・そうなの？」

「・・・もしかして知らないで買ったの？」

「うん・・・」

「えー！なんかそれもすげーね！笑
ありがとう。嬉しい。
めっちゃ最高の誕生日プレゼント！」




バッと大きく腕を開いた洋平くんに抱き着かれて
喜んでもらえたみたいで良かったって、
胸を撫でおろした。




「ごめんね。俺が変なことしたから、
逆に気を使わせちゃったよね」

「ううん、そんなことない」

「まあ、俺はAさんが居てくれれば
それだけで本当にいいんだけどね」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、
でもほんとにそれだけって訳にはいかないし、
それにやっぱりお祝いしたかったし」

「うん、ありがとう。でも俺、本音だからね。
片想いが実って、やっと手に入れたカノジョだから」

「そんな大層なものじゃないでしょ。笑」

「大層なものだよ。あんなに好きって言ってたのに
全然相手にしてもらえなかったからさー、
やっぱり無理なのかなって弱気になる時もあったし」

「え、そうなの？それ初耳！」

「そりゃあそんなとこ、好きな相手には知られないようにするでしょ」

「えー、そういうもんなの？
でも弱気な洋平くんとか、ちょっと珍しいよね。
その時の話、ちょっと聞いてみたいかも」

「え、ヤだよ」

「え、なんで。ちょっとくらいいいじゃん」

「だめ！ないしょ！」

「えー！ケチ！」

「なんだよ、ケチって。笑」




洋平くんには今回の誕生日の件みたいに
驚かされたりすることもたまにあるけど、


でも一緒にいる時間はやっぱり楽しくて、
付き合う前まではこんなに上手くいくだなんて思ってもみなかった。




私はこの時、いつまでもこんな時間が、
楽しいふたりの時間が続いていけばいいと思っていた。




だけど時は流れていく。
それに合わせて時代も変わっていく。


いつまでもその場所に、同じ場所に、
留まり続けられるわけもなかった。





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