+ ページ17
*
ちょうどその時、「あ、にーやん！」と、
川上くんが手を挙げた。
「ちょうど良かった。
にーやんに紹介したかったんだよね。
この人がいつも俺らがお世話になってるAさん！」
川上くんが “にーやん” と呼ぶその人に紹介されてお辞儀をすると
向こうもペコっと頭を下げてくれた。
「で、こっちがマネージャーのにーやんです」
「洋平、あだ名で紹介してどうすんだよ。笑
私、伊藤と申します」
「Aと申します。
今日は突然お邪魔してしまって申し訳ありません」
「ああ、いえ、大丈夫ですよ。
いつもこいつらからお話は伺ってます。
弊社の所属アーティストがお世話になっております」
「いえ、そんな！
こちらこそ大変お世話になっております。
皆さん営業成績がとても優秀で、大変助かってます」
「・・・俺だけは別だけど」
「あ、まーくんが拗ねた」
「えっ、白井くん？！」
「はははっ、仲良くやらせてもらってるんですね。
どうぞゆっくり見て行ってください」
「あ、はい。ありがとうございます」
私とマネージャーさんが挨拶を交わしている間に
磯部くんはベースを手にして、
白井くんがギターをつま弾いて、
着々と音を出す準備が進んでいく。
川上くんもギターを手に取ると肩に掛けた。
ストラップが背中に掛かるその後ろ姿だけでも、
バンドマンって感じがひしひしと伝わってきて
ピックを挟んでマイクに手を掛ける川上くんも
普段見てる人のはずなのに、まるで別人のようだった。
楽器を持つと空気が変わる。
表情が、顔つきが変わる。
ああ、やっぱり皆んなバンドマンなんだな・・・。
当たり前なんだけど、
そんなことをしみじみと思った。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
叢雲(プロフ) - 吉野さん» 楽しみにしていただいてありがとうございます。お疲れな彼女を甘やかしてあげる洋平さんでしたー。雰囲気が最高と言っていただけて嬉しいです。続きもお楽しみいただければと思います(^-^) (2022年2月24日 0時) (
レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
吉野 - 更新楽しみに待っていましたε=ε=(ﾉ≧∇≦)ﾉ洋平さん と主人公さんの雰囲気がとっても最高です(≧∇≦)b続きが益々楽しみになりました( ´艸｀)身体に気をつけて毎日を楽しくお過ごし下さいませ(^_^)ゞ (2022年2月22日 22時) (レス) @page48 id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - あゆさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます。ドキドキしていただけるかは分かりませんが、続きもお楽しみいただければ幸いです！ (2022年2月8日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - 瑠々花さん» ご覧いただいてありがとうございます。なんだか不穏な空気が流れてましたね。続きもお楽しみいただければと思います(^-^) (2022年2月8日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます。転の展開ですね〜！若さとか勢いとか、どう転がっていくのか…。ドキドキしながら、楽しみに待たせていただきます。 (2022年2月8日 0時) (レス) id: b6bdc3d8d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：叢雲
| 作成日時：2021年9月22日 23時
