11:20 a.m. ページ6
*
川上くんに顔が赤いことを指摘されてしまった・・・。
それぞれのデスクに別れた後、仕事を始めたけど
朝の廊下での出来事を何度も思い返してしまう。
うん、大丈夫だよね。
体調でも悪いの？なんて聞かれたくらいだし、
きっと私の想いはバレてない。はず。
そんな動揺を表に出さないようにしながら、
さっき上司から指示のあった
過去データの集計資料を作り始めた。
その中に、一部電子化されていないデータがあって
それを入れなければならなくなった。
あー、この年度はまだ電子化されてないんだった。
紙、見ながら打ち込まなくちゃダメだなー。
面倒くさい・・・とは思うものの、
やるしかないんだけど。
覚悟を決めてデスクの引き出しから鍵を取り出すと
早速、資料室へと向かった。
資料室には数回しか来たことがないけれど、
部屋の中にはたくさんの段ボールやファイルが
所狭しと棚に並べられている。
年度ごとに分けられてはいるものの、
箱やファイルをひとつひとつ確認しなければいけないから
それなりに時間の掛かる作業になってしまいそう。
「えーと、ここは経理部の資料で・・・、
こっちの棚が管理部・・・」
棚に表示されている部署名を確認しながら歩いていくと
その時、キィィと扉の開く音がした。
「Aさん？何してんの？」
「・・・川上くんこそ何してるの？」
「Aさんが此処に入っていくのが見えたから。
てか、久しぶりに会った部下に対して冷たくない？」
「朝、会ったじゃない笑。テレアポはどうしたの？」
「んー、ちょっと休憩しよっかな」
「じゃあ休憩室にどうぞ」
「なんで追い返そうとすんの。笑
久しぶりだから、Aさんの顔じっくり見たいのに」
川上くんはスタスタと資料室の中に入ってくると私の傍まで来て、
その言葉通りに、じぃっと見つめてきた。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
叢雲(プロフ) - 吉野さん» 楽しみにしていただいてありがとうございます。お疲れな彼女を甘やかしてあげる洋平さんでしたー。雰囲気が最高と言っていただけて嬉しいです。続きもお楽しみいただければと思います(^-^) (2022年2月24日 0時) (
レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
吉野 - 更新楽しみに待っていましたε=ε=(ﾉ≧∇≦)ﾉ洋平さん と主人公さんの雰囲気がとっても最高です(≧∇≦)b続きが益々楽しみになりました( ´艸｀)身体に気をつけて毎日を楽しくお過ごし下さいませ(^_^)ゞ (2022年2月22日 22時) (レス) @page48 id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - あゆさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます。ドキドキしていただけるかは分かりませんが、続きもお楽しみいただければ幸いです！ (2022年2月8日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - 瑠々花さん» ご覧いただいてありがとうございます。なんだか不穏な空気が流れてましたね。続きもお楽しみいただければと思います(^-^) (2022年2月8日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます。転の展開ですね〜！若さとか勢いとか、どう転がっていくのか…。ドキドキしながら、楽しみに待たせていただきます。 (2022年2月8日 0時) (レス) id: b6bdc3d8d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：叢雲
| 作成日時：2021年9月22日 23時
