【鬼滅の刃】存在する理由を求めて

18 また会う日まで ページ21

「任務は最優先ではある、しかし命あってこそだ」

「……はい！」

鱗滝さんの優しさをしっかりと受け止めて立ち上がる

紗綾形の羽織の袖を揺らし外へ向かった








「では、行きます」

炭治郎の言葉の後に鱗滝さんが近づいた

「ちょっといいか」

鱗滝さんは腕を伸ばし炭治郎の隊服の首元のフックを止める

その姿に自然と笑みが溢れた

私は炭治郎の箱の様子を見る

しっかりと彫られた木の目

微かに感じる禰豆子さんの気配

頑張ろう…私も人間に戻す方法を聞かないと…

鬼と…会話できるのだろうか

ふと炭治郎の肩に鱗滝さんの手が置かれたのをみた

お互いが頷き鱗滝さんは肩を数回ポンポンする

そして私の方へ向き頭を撫でた

「……」

お面越しに見合い最後に私は握手をする




最後に手を振り鱗滝さんと別れを告げた









しばらく炭治郎と歩く

しかしもうしばらくすると私たちも別れねばならない

あぁ…あの道でお別れだ

「炭治郎、またね」

「あぁ、Aも気を付けて」

目の前に拳を突き出した

「…え？」

炭治郎は疑問を見せ顔を傾げる

「グータッチ…ね？」

「あぁ！」

炭治郎も拳を握り拳を合わせた

「ぐーたっちだな、あの時の」

「そうだよ…それじゃあね」

「あぁ、またな」


　 "またな“



この世界では確信のないその言葉を交わし

お互いの道へと歩いた


またもう一度会える事を信じて


雲一つない空を見上げた

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