お菓子作り/ナイト・トリッカー ページ4
ミーティングが終わり、早々とキッチンに向かう私。
不思議の国ではいつもお茶会用のお菓子を焼いていたので、空き時間は何かしら作っていないときがすまない。
「お、さっそく作ってるの?」
「ジャック先輩。」
この陽気で明るい先輩、もとい上司であるジャックハートは私のお菓子とお茶を美味しそうに飲んでくれる人のうちの一人だ。
いつも忙しいくせに私がお茶を入れたり、お菓子を作ると必ず食べてくれる当たり優しいとは思っている。
「…リンゴのスコーンですけど食べます?」
「え、なんでリンゴにしちゃったの!俺が嫌いなの知ってたよね?!」
「いや、私が食べたかったんですもん。」
「ま、アイツのじゃなきゃ食べるけどね!」
とむくれる。何がそんなに嫌なんだ、気にしなければいいのに。
と、つぶやくとスコーンをかじりながら「あの紳士面が嫌なの!」とキレられてしまった。
低身長はひがんで直るものではない、と考えながらもキレられると面倒なので口には出さなかった。
「どう、慣れてきた?」
「なれるも何も、関わるのが面倒なのでその場の壁になるだけですよ。」
誰もいなければ喜ばせることも、話すことも何もない。
「友達ができたら、不思議の国で一緒にお茶会しますよ。」
「じゃあ頑張りなよ!」
「はい。」
あとで消費がてら談話室にでも置きに行くか。
そうすれば、きっと友達もできるだろうから。
「チョコのクッキー、リンゴのスコーン、紅茶のマドレーヌ…」
これからこれを食べる人が笑顔になりますように。
「そんなの柄でもないか。」
そう言って笑いながら軽い足取りで談話室へ向かった。
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チェシャ(プロフ) - 更新致しました!! (2020年6月11日 0時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ(プロフ) - 更新させて頂きます!! (2020年6月10日 23時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 更新致しました! (2020年5月31日 20時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 更新致します! (2020年5月31日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ(プロフ) - 更新しました! (2020年5月28日 3時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ