お話ししよーよ/スカイブルー ページ3
◆◇
「はーミーティング疲れた!やっぱオレ、人前に出る方が好きだなー……」
誰にともなく、そんな独り言を呟く。
寂しい奴って言わないでほしい。
別に独り言を呟かなくても生きていけるけど、もしそれを聞いた誰かがオレに話しかけてくれたりしたら嬉しいじゃない?
……まァ、既に死んでるのに“生きていける”ってのも、おかしな話だとは思うんだけどさ。
「貴方のマスターは誰なのかしら」
本当に声をかけられるとは思わなかった。
だって彼女、アズ・クローバー殿と話した事はなかったし、あまり積極的にコミュニケーションをとる方でもなさそうだし。
「オレ?」
自分の顔を指差して確認してみた。別に誰でも良かったのだけど、と素っ気ない返事。
なるほど、単に目についただけって事っすね。了解しました。
「オレのマスターねェ……誰だと思います?」
「……こっちが訊いてるんだけど?」
「つれないこと言わないでよー。アズ殿って他人の事よく見てそうだから、分かるんじゃないですか?」
大きなため息の後「服装的にはジャファーとかいう人みたいね」と返ってくる。
トゲのある言い方は、ヴィランらしいと言えばらしいけど……もしかしてオレ嫌われてる感じ?
「せーかい!きっとアズ殿はフロロー判事だよね?ヴェール殿の鐘の音みたいな、キレイな声してるからさ!」
皮肉な事にそうなのよねと彼女は再びため息をついた。
……どうやら嫌われてるのはオレじゃなくて、ヴィランズ全般みたいだ。
「何気にアズちゃんと話すの初めてだよね?」
「何でちゃん呼び……はぁ、仲良くしておく必要はあるかと思って」
「え!?仲良くしてくれる気あるの!?」
少し失礼な響きになってしまったけど、そりゃ驚くよ、一匹狼なイメージあったんだもん。
「“貴方と”じゃなくて、全体的によ。声をかけたのが偶然貴方だっただけ」
「……アズちゃん、ツンデレって知ってる?」
「変な属性を勝手に追加しないでくれるかしら」
本気で迷惑がってるけど、意外と面白い子だ。勿論アズちゃんはツンデレキャラとは少し違うんだろうな。
覚えてるか知らないけど、初対面の時、さり気なーくオレのこと褒めてくれてたし。
天然タラシって言うのかな。すぐ他人の良い所を見つけて、サラッと褒めてくるんだよね。
「仲良くしよーねアズちゃん!」
「……チッ」
彼女の整った顔に似つかわしくない舌打ちを、ご機嫌なオレは聞こえなかった事にした。
お菓子作り/ナイト・トリッカー→←悪党達の遊戯会/アズ・クローバー
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チェシャ(プロフ) - 更新致しました!! (2020年6月11日 0時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ(プロフ) - 更新させて頂きます!! (2020年6月10日 23時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 更新致しました! (2020年5月31日 20時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 更新致します! (2020年5月31日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ(プロフ) - 更新しました! (2020年5月28日 3時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
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