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「いつも女の子に囲まれてますよね、たしか」
たしかに俺が大会で走る時は大抵女の子が見にくる
別に来いとは行ってないけど応援しに来てくれるのだ
ありがたい、とは思うけど実際は俺に好かれようとするとか、姿が見たいとか、それだけで勝ってほしいなんてまんざら思ってもいないだろう
「…まぁ…でもあの子達は俺の中身なんかきっとどうでもいいんです」
「というと?」
「俺と付き合うってステータスとかが欲しいだけってわかってるから」
「そうかなぁ」
「そう。大した話したこともないのに告白されたり、俺の何を知ってるんだよって思っちゃう」
「それはたしかに嫌ですね」
「だからたまに思うんだよね。俺は世界でひとりだけ、ただポツンと存在していて…」
そこらへんまで言いかけた時に気づいた、俺はどこまで赤の他人にぶっちゃけてしまっているんだろう
「…ごめん、性格悪いでしょ、実はこうやって腹黒いんだ」
恐る恐る顔を上げて彼女の方を見ると
クスクスっと口に手を当てて笑う姿が目に映る
「…ごめんなさい、なんかおかしくて」
「え?」
「いや、だって、
前の大会のときに隣のレーンの選手が足がつって走れなくなって
あなた、走り終わった後に救護室まで心配して見に行ってましたよね、たしか。
今日だって、わざと怪我したわけじゃないのに捻挫したあと高校の人たちにも、他校の一緒に走ってた人にもすごく謝ってたし
そんな人が腹黒いなんて思えないですよ
誰よりも優しい人です
それに、1人なんかじゃないです。」
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oss.2(プロフ) - りょーかさん» 初期から読んでくださってたんですね(;_;)長々と続きましたが最後までご覧になってくださってありがとうございました。暖かいお言葉をいただけて嬉しいです! (2017年9月11日 22時) (レス) id: e9a15ad6af (このIDを非表示/違反報告)
りょーか(プロフ) - 完結おめでとうございます!ルート分岐する前からずーーーっと読んでました!!てつや、としくんの作品も読ませていただきました。読みながらニヤニヤが止まりません笑笑新作楽しみにしています!お疲れ様でした! (2017年9月11日 22時) (レス) id: 893f196d81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:oss_2 | 作成日時:2017年8月20日 20時