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すぐに顔をあげれば、こちらを見つめて微笑む貴方の姿




私の泣き顔を見たからか、すこし顔が曇ったようにも見えたけど。






「え…」



動揺で何も言葉が出てこない、喉に何かがつっかえたように。




頑張って、言葉を紡いでやっとの思いで声を発する






「…会いたかった」





「俺も会いたかった」








おいで、と手を広げるあなたに居ても立っても居られず思い切り抱きつく





抱きつくと香る、りょうくんの香水の香りと温かさ




ぐっと抱きしめられると改めて思う






「やっぱり私のものであってほしい」






そんな気持ちが溢れてきて涙が止まらなかった






「なんで泣くの〜」






優しく私の背中をポンポンと叩きながら笑う姿は前から変わってない








「…りょうくんが…遠くに行っちゃった気がして…」





「今近くに来たよ?」





「んーん、他の女の子のところ、行っちゃったのかなって」





「なんで? 」





「…他の女の子と並んでるの…写真見たから…」







え? と抱きしめていた手を離して私の目線に合わせて少しかがんで見つめてくる





その目は嘘をついてないってすぐわかる。本当になんのことかわからない目





「待って、見せて?」






そう言われてかじかむ手で携帯を取り出しスクリーンショットを見せる





「これ、ざわくんの彼女だよ?」







「え? 」






「これざわくんのクリスマスプレゼントを買いに付き合わされた日だわ」






ほら、とりょうくんが自分の携帯を取り出して写真をみせてくれる







そこにうつるのはあの写真と同じ、白いコートを着たふわふわな女の子がざわくんへとプレゼントを渡している画像だった






「俺の母さんの仕事先のブランドバッグ買いたかったらしくて、付き添ってあげただけだよ」





「でも、不安にさせちゃったよね、ごめんね?」




精一杯横に首を振る





携帯を握る手を片手で上から包み込んでくれて、もう片方の手で涙を拭ってくれるのは私の大好きなりょうくんの手



「手、かじかんでるじゃん」



ポッケから手袋を取り出して私の手にはめてくれる




「ジェントルマン…」




「ねぇ」




「なに?りょうくん」






「愛してるから」




視線を手からりょうくんの顔にあげると




今までで一番優しいキスを落とされた

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oss.2(プロフ) - りょーかさん» 初期から読んでくださってたんですね(;_;)長々と続きましたが最後までご覧になってくださってありがとうございました。暖かいお言葉をいただけて嬉しいです! (2017年9月11日 22時) (レス) id: e9a15ad6af (このIDを非表示/違反報告)
りょーか(プロフ) - 完結おめでとうございます!ルート分岐する前からずーーーっと読んでました!!てつや、としくんの作品も読ませていただきました。読みながらニヤニヤが止まりません笑笑新作楽しみにしています!お疲れ様でした! (2017年9月11日 22時) (レス) id: 893f196d81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:oss_2 | 作成日時:2017年8月20日 20時

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