§僕らはいつも§〜＊banbi＊ninoai＊〜

思想の暴走 N ページ19

ニノside



楽屋に戻ってきた相,葉さん達を見てもう我慢の限界だった。

妙に浮ついた様な、でもふとした瞬間に寂しそうに視線を泳がす相,葉さん。

赤くほてった顔を仰ぎながらソワソワしている翔さん。

この2人になんかあったのなんて明らかで、どんどんイライラしていった。

潤君だって気がついてるだろ？なんでなにも言わなんだよ…。

大,野さんだってケータイ見ながらニヤニヤしちゃって…。

メンバーのことより釣りですか。呆れたものです。

あぁ〜！イライラする…。でも、こんなにイライラしてる自分が逆に
ちっちゃく思えて悲しくなる。

もう、こんなんでうじうじしてる自分が嫌なんです。

ほら、さっきからゲーム機に繋いだイヤホンからはゲームオーバーの
メロディしか流れません。

潤君には悪いですが、少し付き合ってもらいます。

「皆さんに話があるんです。」

そう切り出せばみんな手を止め、こっちに振り向く。

こうやってあなたに想いを伝えられたら良かったのに…。



「僕、潤君と付き合ってるんです。皆さんに報告が遅れたのは謝ります。

でも、メンバー同士で恋人関係になったことを否定されても謝るつもりはありません。

では、このあとも予定があるので。」



そう言って、茫然自失の潤君の腕を引き荷物を持って楽屋を後にした。

僕が言った言葉には翔さん達への皮肉も少し込めた。

翔さん達はいつになっても僕達に関係を教えてくれなかったから。

局の廊下を歩いて地下駐車場を目指す。

さて、この後の事は何も考えていませんでした。

とにかく潤君を口説きふせますか。

潤君だってさっきの光景に大人しくはしていられないでしょうし。

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