【ルパパト】ちらしの裏(4)

53-1 ページ9

クーリースマースが今年もやってくるー、とユキがニッコニコのわっくわく顔で歌っている。あの告白を聞いてからユキは輪をかけて明るくなった。元気すぎて困る。

「先輩、クリスマスパーティー楽しみっすね！」

つい先ほどノエルさんから電話がきた。以前、兄さん達が関わった保育園でクリスマスパーティーをするらしい。その園児達が国際警察の3人を招待したらしい。それに一緒に行かないか、とのこと。いや、園児からしたらまったくもって私たち関わりないよね。断ったらユキに電話がかかってきて、ノリノリで返事をしてしまった。ユキを睨んだら舌を出した。お前な。
詳しく話を聞けば、ジュレの3人が料理を担当するらしいのだが、魁利くんと初美花ちゃんはあまり料理が得意ではなく、手伝いという意味もあって私たちに声をかけたらしい。迷惑じゃないなら、ということで参加させてもらうことにした。
しかし、ノエルさんとユキが知り合いだってことがわかってからこの2人はやり取りするの隠さなくなった様子。

「流石に手ぶらは申し訳ないから、休憩時間に何か差し入れるもの買いに行こうか」
「いいっすね！食べ物は沢山ありそうだけど…持ち帰れるようなものがいいんじゃないですか？焼き菓子とか」
「そうだね」

昼休憩、ランチに行くついでに差し入れを買うため、街中に出ることにした。どこもかしこもクリスマスソングに煌びやかな飾りでいっぱいだ。

「クリスマス、いいですねぇ。町中が明るい気で満ちてる」
「そうだねぇ」
「カップル多いなぁ」
「そうだねぇ」
「先輩達はどうなんすか」
「繁忙期」

オーララー…とユキから声が漏れた。

「それ、ノエルさんの口癖」
「あっ…。いままで我慢してたんですけどね。私もよく言うんですよ」

モヤっとする。んー…よくわかんないけどモヤっとする。んー…嫉妬かなぁ。

53-2→←52-2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す