【ルパパト】ちらしの裏(4)

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「ノエルさんが取り戻したかった人って誰ですか？」
「…アルセーヌ・ルパン。僕の育ての親だ。僕は、幼い頃、1人で過ごしていて、手を差し伸べてくれる人間はいなかった」
「そういうの、もっとください」
「そういうの？」
「ノエルさんの子供の頃の話。良かったことも嫌なことも、いっぱい話してください」
「…そうだね。アルセーヌは1人だった僕を見つけて、ルパン家に受け入れてくれたんだ。僕は異世界人だろ。アルセーヌはご先祖にあたる」
「アルセーヌさんって一体何歳」
「さぁ、僕もよくわからないけど、アルセーヌはご先祖の血を濃く受け継いでいるから、その影響があるんじゃないかな。アルセーヌはルパン家に受け入れてくれた僕に、ルパンコレクションを見せてくれて、いっぱい知識をくれたんだ」
「ノエルさんが時折ルパンコレクションを愛おしそうに見るのはそれが理由ですか？」
「え？そんな風に見てる？」
「そう見えました」
「…そうかもしれないね。アルセーヌはギャングラーに襲われて命を落としたんだ。僕はまだ大切な人を取り戻せていないんだ」
「…そうか、氷漬けにされた勝利さん達とは状況がちがうんですね」
「ルパンコレクションを全て集めれば、願いが叶うと言われている」
「それでアルセーヌさんを取り戻すんですね」
「うん。あとはギャングラーの残党が持っているコレクションと、圭一郎くん達が持っているコレクションだ」

兄さん達は素直にコレクションを返してくれるだろうか。

「…順番としては、ジャックポットストライカーを見つける、魁利くん達を取り戻す、ギャングラーの残党が持っているコレクションを回収する、兄さん達のコレクションを回収する、ですかね」
「圭一郎くん達が素直に返してくれるといいんだけど」

同じことを考えてて笑みがこぼれる。

「兄さん達の装備はギャングラーを殲滅するためのものですから、ギャングラーを殲滅してしまえば不要では？」
「アルセーヌを取り戻すのはまだまだ先になりそうだなぁ」
「アルセーヌさんを取り戻したら、私のこと紹介してくださいね」
「ウィ、もちろん」
「なんて紹介しますか？」
「それはもちろん、僕の愛する人、だよ」

ノエルさんの柔らかな笑みに私も笑みを返した。彼の頬に手を添え、その唇にそっと口づけた。

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