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そこであれ、と気付く。
「お兄さん達が居て、どうして魁利くん達がいないんですか」
ぶわ、と胸の中に嫌な色が広がる。浮かない表情を浮かべた3人の心中が、伝わってくる。
「魁利くんたちは、ギャングラーのボス、ドグラニオ・ヤーブンの金庫の中だ」
「きん…こ?」
「勝利くん達を氷漬けにしていたギャングラーと戦うためにね。無事倒して勝利くんたちを取り戻したはいいけれど、その金庫はドグラニオ・ヤーブン自身でないと開けられないんだ。そのドグラニオ・ヤーブンは警察が身柄を拘束している。僕らは魁利くん達を取り戻すために、快盗として集まったんだ」
かいとう?えーと勝利さん達を?快盗にすると。勝利さん、彩さん、詩穂さん、それぞれ意思を固めているらしい。なら私がとやかく言うことではないんだけど。
「僕は、国際警察の日本支部と直接の連絡を絶っちゃったから、Aちゃんにも協力して欲しくて」
「…そんなことだろうと思いましたよ」
なるほどね、なるほどね。兄さん達の動向を知りたいと。ノエルさんのこういうところ、利用できるのはなんでも笑顔で利用するところ、嫌…いや、こういうところも好きだよ。ベタ惚れだもん。
「はぁ。魁利くん達を助ける策はあるんですか?」
「要は金庫を開ければいいんだ。ルパンコレクションには行方不明になっているジャックポットストライカーというのがいてね、彼の能力は精神操作なんだ。ドグラニオ・ヤーブンの金庫の中にコレクションを送り込む方法はあるから、彼を見つければ金庫を開けることができる」
「なるほど、手はあるんですね。わかりました、できる限り協力はします。前ほど兄さんたちに会う機会は減っているので、お役に立てない可能性も捨てきれませんが」
ありがとう、Aさん。と勝利さんが微笑んだ。あ、と気付く。一瞬、兄さんの姿が浮かんだ。そうか、魁利くんは兄さんと勝利さんを重ねていたのかもしれない。
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わたる(プロフ) - 飛翔薫さん» ありがとうございます!なんとか書ききり、アップしきることができました。今熱が落ち着いてしまいましたが、再燃した時には書きたいと思っています! (2019年11月28日 21時) (レス) id: 3e7009a64a (このIDを非表示/違反報告)
飛翔薫(プロフ) - 完結おめでとうございます!ノエル推しにとってはこのチラシの裏からいっぱいパワーをもらいました!終わってしまうのは寂しいですけど、もっとノエルとの話見たいけど!とりあえず完結おめでとうございます! (2019年11月27日 21時) (レス) id: 2e2f159122 (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - シェリーメイさん» ありがとうございます。コメント嬉しくて私も幸せです(*'ω'*) (2019年11月25日 22時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
シェリーメイ - わたるさん» ずっとずっと、この小説のおかげで私は幸せでした!完結おめでとうございます。 (2019年11月25日 18時) (レス) id: e2657486e4 (このIDを非表示/違反報告)
飛翔薫(プロフ) - 更新待ってましたぁぁぁぁぁ!! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9764edc4fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたる | 作成日時:2019年3月21日 11時